リライトミステリ ~つべこべ言わずに書き直せ!~

山野エル

プロローグ

 大学生は暇だ。1年の半分くらいはオフじゃないだろうか。

 他の学部は知らないが、少なくともぼくのいる文学部はのんびりとしている。それでも、教職課程を取っている友人たちは忙しそうだ。ぼくには無縁のことだが。

 初めての夏休みがやって来て、所属している研究会のメンバーからは「暇ならミステリを書け」と迫られた。ミステリを研究しろというわけだ。そんなことを言われても、何をどう書けばいいのかなんて分からない。

「書き上げたら俺に見せなよ。添削してやるからさ」

 新島にいじま先輩がそう言っていた。気が重いが、残念なことにぼくには時間がある。

 数週間をかけて、なんとかミステリを1本書き上げた。

 人生で初めてのミステリだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る