vol.2言霊

深夜まで飲んでいたので、結局4時間程度の睡眠で「春秋祭」当日を迎えた。私はどれだけアルコールを入れても記憶が飛ばない人間なので、夜楽しく語らいながらこんなことを話していたことをよく覚えている。


「私ら3人が同じチームにならんようにしたいね」


そして、まさにそのようなチームになった。言霊とは時に望んでいない現実を招く。ただ、裏を返せばこれが私たちの絆だったのかもしれない。


「春秋祭」はチーム戦とはいえども俳句を作る時間はひとりの時間だ。与えられた4つの言葉の題で2時間ノンストップで俳句を作り続けるという機会は高校3年の頃の開成俳句部の夏合宿以来だったと思う。昔は袋回しで1分1句作っていたなと思いながらも、作った俳句は120分で40句少々。多少当時よりはスピードは衰えているかもしれないが、個人的には思いのほか作れたという手応えだった。このようにして自分に甘い人間が完成していくのだ。


句会の結果はここでは記載できない。恐らく「秋草」10月号辺りに掲載されるはずなので是非ご覧いただきたい。これだけは言えるのが、選句や披講の時間は過去に経験したことがないような高揚感を感じた。事実、春秋祭を境に俳句への情熱が2ギアくらいあがったような感覚があり、勤務先の昼休みでの俳句の創作や暇な時間での句集の鑑賞などが今まで以上に捗る。このようなきっかけは大切なことなのだとあらためて実感した。


夜は酒を飲みながら語らう。大人になって初めての「合宿」だったが、これまでにないような贅沢さを感じた。次寝ればあっという間の最終日。寝るのも惜しみつつ、明日の創作のために閉じたくない瞼をゆっくりと閉じた。

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