第2話

近くの草原を散歩中に、突然現れた、沢山の狼たち、周りを囲まれ、護衛たちが応戦するも、数が多すぎて対応できず、腕をかまれ放り投げられるシャントット姉さん

放り投げられながら


「かーくん・・」

転がり動かなくなる

泣き叫ぶ僕

「シャントットねえさーーん」


他の狼が僕を倒し、胸に足を置き動けないようにして、顔を近づけてきて生暖かい息が顔にかかり、恐怖に引きつる顔の僕を、大きな口を開けがぶり・・・


かぷり・・・ハムハム


「いたーーい」


叫び飛び起きると、またもや、にくき暗殺?犬クロウ、胸に乗り悪夢を見せてくれた敵

「クロウさんや、もうこういうのやめてください」


知らん顔してあっち向きつつ返事する

「ワフン」


「鼻が痛い・・」


周りを見ると、メイドさんと、なぜか姉さまがいる


「おはようございます、カール坊ちゃま」

「カー君、おはよう、今日こそは大事な日だから、早く起こしに来たのよ」

「メルおはよう、なぜシャントット姉さまが張り切っているんですか」

「大事な日だからよ、大事な」


足元にいつの間にか来ていたクロウにテシテシと叩かれ、首を振られる、あきらめろといっているように・・・

窓の外をみるとどんよりと曇っている、今の僕のように落ち込みそうだ


元気よく外を指さし言ってくる


「さあ、朝ごはんの後に出発よ」

「技能鑑定はお昼を過ぎてからでございます、朝ごはんの後は、少しお勉強の時間でございます」

「そ、そんなぁ・・」


落ち込む姉さまを置いて、さっさと着替えてクロウと出ていくのでした


お昼になり、空はどんより曇ったまま、付いてくるのは来るのは父上、母上、なぜか姉さま、鑑定出張所まで質素な馬車で行きつくと、小さな建物の前に鑑定をする数人の子供たちが親たちと並んでいる

技能鑑定は5歳になると受けることができ、5歳前にやっても技能は鑑定できない、鑑定出張所は、ここはフラフラン王国一番西の端で人口も少なく、中央から距離があるので、年に1回か2回だけ、それで十分に回ってる


「領主さま、こんにちわ」

「ああ、こんにちわ」

「領主さま、先にどうぞ」

「いや、我々は最後で構わない」


他の子供たちが終わり僕の番になり、建物の中に入ると中は家族が待つ部屋と奥に鑑定するだろう部屋が


「では、行ってきます」


部屋の前で職員の方が説明を


「中に板があるのでそれに手を置いてください、そうすれば結果が出ます」


部屋に入ると中は狭く、机の上に不思議な板がポツンとある


「これに手を置くとわかるのか」


手を置いてみるとまぶしく光るとかはなく、ただただ、あなたはこの技能を持っていますとわかるだけ、この初めての鑑定が終わらなければ技能がつかない、あとは自分で確認することができるようになる


「んー、これで終わりなのか」


あっけなく終わって部屋から出てみんなのところへ戻ろうとしたら


「あれ?・・」

軽くフラフラとし、前世の記憶がよみがえってきました


「ん?、どうかしたのか?」

「あら?、どうかしたの?」

「いえ、なんでもありません」

「そんなことより、どんな技能だったの?」


ちょっと苦笑しつつ

「それは、家に帰ってからです」


ちょっとふくれた顔で

「えー、けちっ」

「来なくてもよかったのに来た、シャントット姉さまが悪い」

「では、帰ろうか」


家に帰り、父上、母上、おじいさま、おばあさま、ついでに姉さま、が揃った応接間で

「僕がもらった技能は、総技能です」


みんなが頭をひねり

「「「総技能?」」」

「総技能って何?」

「総技能って何だ?」

「いろいろな技能の集まりみたいです」


みんなが固まったようになり

「さすが、カー君すごい」

「これは、ちょっと、他の者には言えないな」

「そうですね」

「そうじゃのう」

「そうね」


くるくる回ってはしゃいでる姉さま

大人みんなでうなずき


「カール、技能のことは、他の者に、なるべく言わないようにしなさい」

「わかりました」


姉さまを見ながら

「あと、別にお話が・・・」


姉さまを見て

「わかった」


姉さまが僕の所へ来て

「カー君、あそぼう」

「僕は技能の使い方を、練習しようかと」

「じゃあ、一緒に」

「危ないかもしれないので、一人でやります」

「ぶーー、カー君のけちっ」

「シャン、わがまま言わない」

「うー、はーい」


僕は退出して部屋に戻り、ちょっとだけ技能検証


「うーん、これはやっぱりチートだよな」


父上たちのいる部屋に行き部屋をノックする


「カールです」

「入れ」


部屋に入り


「話とは何だい?」


言いにくそうに困った顔で


「ええっと、技能鑑定が終わった後に、実は前世の記憶が蘇ってきたのです」


みんなが固まり


「「「・・・は?」」」

「前世の記憶が蘇ってきたのです」

「なぜ、教えてくれるんだ?」

「記憶が蘇る前に、とっていた行動が必ず変わり、違和感を持たれるよりいいと思ったから」

「確かに行動が急に変われば違和感は持つな」

「それで、おかしな風に見られたくなかった」

「もし、おかしな風にみられていたら?」

「こっそり出ていこうかと」


みんな驚いた顔

「出て行ってどうする?」


苦笑しつつ困った顔で

「それは・・・」


「お前は、カールなのだろう?」

「はい、カールです、前世の記憶が蘇って性格がちょっと変わったかもですが、カールです」


母上が抱き着いてきて

「出ていくとか言わないで、家にいなさい、カールなのでしょ」


泣きそうな顔で

「僕は、ここにいていいのでしょうか」


頭をなでながら

「いいのです、あなたの家はここなのですから」

僕は泣きながら

「ははうえー」

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