そのジュースって…

 純子さんは、どんな行動をとったかと言いますと…

 

 オレのドリンクをジーっとみて、

「それ…美味しそう」

 と。

 

「あぁ、美味しいよ。」

 と普通に答えるとまさかの…

 

「なら、少し飲んでもいい?」

 と発言してきたじゃありませんかっ‼︎

 

 えっ⁉︎

 か、間接キスだよ⁇

 

 いいの⁉︎

 それともどうしてもこの味が飲みたいの⁉︎ならさ…

 

 なら…

 

「買ってくるよ。これと同じの」

 と席を立って買いに行こうとしたら、

「待って‼︎」

 とオレは呼び止められた。

 

 ?

「ん?やっぱり他のがいい?」

「そ、そうじゃなくて…それがいいです。」

 と恥ずかしそうに申し出てきたじゃありませんかっ!

 

「えっとー…」

 動揺しつつもストンと椅子に腰掛けた。

 

 …

 

 これがいいって…ど、どういう意味なんだろう…。

 

 …

 

 純子さんは、オレとの間接キスをオーケーなんだ?

 

 

 オレはスーッと純子さんに自分の飲みかけのジュースを差し出した。

 

 すると純子さんがオレをパッとみて、

「あ、ありがとう。じゃあ、飲んでみてもいい?」

 と聞いた。

 

「あー、はい。どうぞ。」

 と頷くと、チューっとジュースを飲んだ。

 

 そしてそのあとオレをじっとみて首を傾げた。

 

 ⁉︎

 

 な、なぜ首を傾げた⁉︎

 

「美味しくなかった?」

「えっ⁉︎あー、味…?そ、そうか。味は、さっぱりしていて美味しかったですよ」

 とジュースを見つめる純子さん。

 

 あれ?

 純子さんは、このジュース飲みたかったんだよね?

 

 でも、一番知りたかったのは…味じゃなかったの⁇

 

 純子さんって…不思議な人だ。

 

 オレに頭突きしようとしたり間接キスとかも平気だったり…。

 

 何?

 純子さんっていったい…何かオレで実験してたりとか⁉︎

 

 …

 

 ⁉︎

 

 でも、なんのために⁇

 

 …

 

 わからない。

 

 そんなこと本人に直接聞いたところで教えてもらえないよね…?

 

 そんなこと聞けるわもないよね…。

 

 

 純子さんは、オレのジュースを飲んでから、小声で

「やっぱりこれじゃダメかー」

 とつぶやいたのでした。

 

 ⁉︎

 

 何がダメ⁉︎

 

 あー、わからない。

 

 とにかく純子さんがわからないよ〜…。

 ダメってなんですかー⁇ 

 

 …

 

 でも、一つわかったことがある。

 純子さんは、猫のキャラクターが大好きだということだ。

 

 あと、コロンとしたキャラクターも好きみたいだ!

 

 ちょっと意外では、あった。

 なんかいつも大人っぽいから、そんなかわいいキャラ興味ないですみたいな勝手な想像をしていたから…

 

 でも、今日一緒に過ごしてみたら普通の女の子なんだなって改めて実感した。

 

 普通っていうか…美しさとかは、もう抜群に素晴らしいけどね。

 

 純子さんの隣にいさせていただいているのが、ものすごく申し訳ない感じだ。

 

 でも、すごく嬉しい。

 たぶんもう一緒にこんなデートみたいなこともないんだろう。

 

 …

 

 そろそろ帰ろうかってなったとき、純子さんはジーっと空を見上げた。

 

 なのでオレもつられて空を見上げた。

 

 しばらく二人して無言で空を見上げていた。

 

 純子さんは、何を考えていたのだろう。

 

 

 

 純子さんを家の近くまで送っていると、すいくんが向こうから歩いてきた。

 

「あれ?すいくん」

「あー、おかえりなさい」

「もしかして、純子さんのお迎え?」

「いえ、アイスを買いに」

「またぁ?もう、すいはアイスにハマってしまって仕方がないですね。」

 と純子さんがクスッと笑った。

 

「だってアイスって冷たくて美味しいんですよ。それに沢山の種類があるから毎日食べても全く飽きません!」

 とアイス愛を語っていた。

 

 不思議だけど、仲のいいきょうだいだな。

 

 これからもすいくんと、純子さんと仲良くなれたらいいななんて、夕日を浴びながら思った。

 

 

 

 続く。

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