第5話 お兄ちゃん、誕生日プレゼントやで!
「せや、お兄ちゃんに誕生日プレゼント買ってきてん。ちょっと待っててな」
「これや、これ。包装紙開けてみて」
「お兄ちゃん、部活入っとるやろ。試合中に汗拭くとき、リストバンドがあったら便利や思て」
「えへへ。気に入ってくれた? 嬉しいなあ」
「知ってた? ウチ、中学入ったとき、ほんまはお兄ちゃんと同じ運動部入ろう思ててん。やけどウチ、体動かすの下手っぴやから。体験入部もウチだけ散々やったし……」
「マネージャーになってお兄ちゃんを応援しようとも考えたんやけど、そのこと顧問の先生に伝えたら、お兄ちゃんを贔屓しないならいいでって言われて……。そんなの無理やもん。絶対ウチ、お兄ちゃんばっかり応援しちゃう。やからマネージャーも諦めるしかなかってん」
「うん、そんでウチ、手芸部に入ってん。こうしてお兄ちゃんに手縫いのリストバンドプレゼントできたし、手芸部に入ってほんまよかったわ」
「お兄ちゃん、もうじきクリスマスやけど、何が欲しい? マフラーなんかどうやろか?」
「え、ウチの欲しい物? うーん、お兄ちゃんがくれるもんやったら、何でも嬉しいけどなあ。なんならこうして二人で……せや、お兄ちゃん、クリスマスもこっち来てええかな? 一緒に過ごしたいねん」
「彼氏? おらへん、おらへん。え、もしかしてお兄ちゃん、こっち来て彼女出来たんか!?」
「ふーん、そうなんや。彼女はおらへんねや」
「べ、別にほっとしとらんって! じゃあクリスマスもこっち来るから。マフラー楽しみにしといて。ウチへのプレゼント? 何でもええよ。お兄ちゃんと一緒におることがウチにとってのクリスマスプレゼントみたいなもんやし」
「せやろ~。ウチはできた妹やろ~。――なんてな。クリスマスが楽しみやわ」
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