第4話 お兄ちゃん、パジャマ貸してや!

「ふう~、お風呂気持ちよかった。お兄ちゃんも気持ちよかった?」


「あっ! パジャマ持ってくるの忘れてもうた!」


「お兄ちゃん、パジャマ貸してくれへん?」


「『大きいサイズしかない』? お兄ちゃん、体おっきいもんな。試しに着てみてええ?」


「うーん、ぶかぶかやけど、上は何とか着られそう。問題は下やな……。ウエストが大きすぎて、どうしてもずり落ちちゃうわ……」


「ん~、どうしよか……」


「よしっ! 決めた! 上だけ着るわ」


「ほら、サイズ大きいから、上だけでもパンツ見えへんやろ。え、見えとる!? こ、こうやって裾を伸ばしたらどうや? み、見えへんやろ?」


「うん、大丈夫そうやな。お兄ちゃん、いくら見えへん言うたかて、あんまりじろじろ見んといてや。恥ずかしいから」


「せや、ええこと思いついたで。お兄ちゃんもパジャマの下、脱いでや」


「だ、だって、ウチだけ下履かずに恥ずかしい思いするなんて不公平やろ。お兄ちゃんにも恥ずかしい思いしてもらわへんと」


「『意味が分からない』? 意味なんてどうでもええやろ。とにかく、お兄ちゃんも脱いでや! ほら、抵抗せんといて! ウチが脱がしたるから!」


「えへへ。これでお兄ちゃんとウチは仲良しやな」

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