(……んん? ってことは……なるほど……)

(……んん? ってことは……なるほど……)

「わかった。今から草サッカーですね? 廃れてしまった球技をよみがえらせる少女たちの挑戦、青春の物語が、このグラウンドから始まるんでしょう?」

「ちゃうよ?」ほのかが即答。

「何ィ!? じゃあこの集まりは何!? ってか円佳先輩どこです!? あたしをポ○モンバトルのあと拉致しといて、なんでいないんです!?」

「か、肩つかまんとって。あんたの左手だけ握力強すぎや。めっちゃ痛いっ」

「こっちは何度も痛い思いしてるんです! 説明責任があるでしょう!」

「じきに帰ってはるからエンちゃんに聞いて……あっ、うてたら来たで! エンちゃん!」

 チリンチリン!

 自転車が土手から降りてくる。でっかいリヤカーが後ろについている。

「ごめんなさーい! 遅れました!」

 円佳が深緑色のジャージを着て運転している。

「あれ? ブレーキが壊れてる……」

 つぶやくやいなや、速度MAXでグラウンドに突っ込み、薫を轢いた。

「グォアアアーッ!?」

「わあっ!? 大丈夫ですか王乃さん!? 下敷きになってるわね!? 今引っぱり出します! うんしょっ、よいしょっ……!」

「いいいいい痛い痛い痛い!! ストップ!!」

「抜けないわね……? 見たところ、太ももの付け根あたりの柔らかい袋に包まれたような何かボール状の物体がふたつ、リヤカーの車輪のスポークに、たまたま、挟まってるみたいね! みんな手伝って! がんばって引っ張って助けてあげましょう! ――さあ、みんな用意はいい? 思い切りいくわよ? いっせーのーで……、それーっ!!」

「ゲエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ」

 人生で一番叫んだ。

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