3ー11【かの姫は思う3】
◇かの姫は思う3◇ミオ視点
セリスの思惑を、俺は無視できない。
【アルテア】の最大兵力は、間違いなく帝国の兵士であり、セリスを慕う国民でもある。今回の騒動……というのも変な感じだが、セリスの考えが、皇帝派の連中と戦うには最適だ。
士気も上がるし、造反も出ているから、実際に効果が出ている。
それでいて、俺がここで梯子を外せば……一気に瓦解する。
俺一人で帝国を壊滅できるのなら、とっくにセリスとの関係は誤報だと叫び散らかしたいが、それは無理……ではないかも知れないが、その選択はしたくない。
「何してんだセリスの奴……」
部屋の外に感じる気配、【
「はぁ……せめてティアには説明したい所だけど、なぜか避けられてるんだよなぁ」
ミーティアの考えも理解できてしまうから困る。
彼女は、セリスの考えも考慮して行動しているはずだ。
俺との関係は、言わずもがな恋人関係だ。だけど、別に正式に発表とか、そんな皇室のお付き合い事情みたい話じゃないからな。
だけど、セリスが先に宣言してしまった……婚約を。
コンコン。
「――失礼しまぁす」
「やっと来……っ!?」
扉を開けて顔を見せるセリス。
ちょっと待とうか、なんだその格好は……!
「えへへ、似合うかしら」
「……」
絶句。これがまさに絶句。
言葉も出ない。というか、この皇女様はなにを考えている??
「ねぇ。似合う?聞いてるんだけど……?」
セリスはエプロンをしていた。
しかし、服を着ていないように見える、いわゆる――裸エプロン!!
「あ、あー……その、下は?」
どうせ水着を着ているとかだろう。
裸に見えそうなショーパンとチューブトップとかな、俺には分かる。
「下?もう……エッチなんだからっ、はいっ!っと」
クルッと回転するセリス。
恥ずかしげもなく、そのプリンとした臀部を……晒した。
肌色。
「ほらな、やっぱり履いて――ぶぅぅぅぅうぅぅぅ!!」
俺は吹き出した、何も口に含んでいないのに、何かを吹き出した。
そして椅子から転げ落ちた、勢いよく頭打った。
履いてないんだが。履いてないんだがぁぁ!?!?
「ミオぉ!?」
転げ落ちた俺のもとに歩いてくる。
いや待て!!そのまま屈んだら見えるから!ステイだセリス!!
「こっち来んな!」
「なにそれ!酷いじゃない!!」
ズイズイと。
「だから!来たら見えるだろ!」
「見てもいいわ!むしろ見て!!」
やめて!!悪気がなくても見えるスタイルはやめてくれ!!
それに、なんでそこまでするんだよ……皇帝派との一戦が終わったら、この情報は違うと、間違いだと宣言するつもりなんじゃないのかよ……?
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