2ー43【アーゼルの都・鉢合】
◇アーゼルの都・鉢合◇ミオ視点
この【アーゼルの都】って言うのは、本当に裏と表が綺麗に分かれている。
中央部分が都の中枢だとすれば、外側が、分かたれたスラムと言っていいだろう。
外壁まで設置をして、まるで同じ場所なのに、別の町にいる気分になる。
「……ん?」
『――ミオ、精霊の気配だよ』
そうみたいだ、この気配……ようやく慣れてきたと言うか、理解できるようになってきた。
「あっちの奥だな。そう言えば屋台のおっちゃんが言ってたな……良い医者がいるって」
ゼクスさんを診てもらいたいとも思ってたし、丁度いいか。
『キュアじゃ信用できない?』
「ははっ。そういう意味じゃないって」
俺の中にいる精霊のフレイは、病院を見に行くという意見に少しプンプンしているらしい。信用できないなんて、そんな事があるわけない。
『ゼクスの症状は、あの弾丸とかいう武器のせいだよ。製造は精霊が関与している、だから不可思議な体調不良が出てる……んだと思う』
「ああ、分解できなかった成分?的な力が体内に残ってるから、違和感っていうか、魔力に酔いやすくなってるんだろうな」
『分かってるなら、なんで?』
なんでだろうな。
俺だけが【アルテア】に帰る事は簡単だ。
セリスを先に送り届けるのも有りだと思ってたが、それはセリスが断ったし、考えたい事、纏めたい事もあるだろうからな。
『それはミオも同じだって事?』
ま、そういう事だ。
心の中の会話をしながらも、俺は感じた精霊の気配を追う。
近づくに連れて、その気配が大きくなると、その違和感にも完全に気付く事が出来た。
「……」
岩場に隠れ、魔力を隠蔽し、その様子を見る。
「マジか……こんな所で見つけるとは」
まるで野盗のような風貌で、一瞬だけ誰か理解するのに時間がかかった。
『もしかして、あれが?』
「ああ」
アレックス・ライグザール。
先日セシリーという女性に依頼をされた、アリベルディ・ライグザールの息子。
依頼の対象であり、ミーティアの元・婚約者……という事になるな。
「それにしても……随分と変わったなぁ」
以前は、それはもう騎士様って感じだった。
最後に会った時は、聖女レフィルの最側近として、悪堕ちしたんじゃねぇかと思わせるスタイルだったけど、今はもうマジで……見る影もない。
でもって、上手く隠されているが……あの小屋、あれが診療所かな。
病院には決して見えないが、その中に……あの女の気配がある。
生きていたのか、聖女レフィル。
「!!……っ」
『!!――ミオっ、来る!!』
最初に感じた気配、精霊の気配。
アレックス・ライグザールがそうでは無いと分かってはいたが、まさか空間から現れるとはな。
黒い
そこから現れるのは……精霊……??
『嘘、なんで!そんな……あれは、精霊……なの?』
気配は完全に精霊だ。
だけど、その見た目はどう見ても、聖女の【
【
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