第21話

ご飯食べて、買い物してから帰った。お店では、お兄さんかっこいいね?なんて言われてたけど、ありがとうございます!と丁寧に返していた。

実くんは、ただの買い物でも大喜び。沖縄のものを知らないそうだ。


「はるちゃん。歩き疲れたんじゃない?休んでて」


「私、普段運動してなくて…」


「待っててねー。ご飯作るからねー」


至れりつくせり。


「はるちゃんの選んだお魚煮付けにするよー!あとはー親子丼かなー?」


あんなにはしゃいでたのに、元気いっぱい。ひとりごとみたいにたくさんしゃべってにぎやかである。体力あるなぁ。

私はそれを、座って眺めてる。


「はるちゃんお待たせー食べよ!」


実くんは、すごいなぁ。私に持ってないものたくさん持ってる。


「わぁ、おいしい」


「ほんと!やったー!ねー今度ゴーヤーの料理教えてね?あと他にも!いい?」


「もちろんだよ」


「やったー!知らない食べ物たくさんあるから、はるちゃんにいっぱい習うぞー!」


「私そんなに得意じゃないんだけどね…」


にこにこの実くん。美味しい食べ物に囲まれて、嬉しそう。


「おいしいね」


「えへへ、やったぁー!あ、はるちゃん。仕事明日ある?」


「明日まで予備日だよ。どこかまた行きたい?」


「俺、お仕事探さないとだよね」


「…実くん、モデル事務所で働けないか確認しよう?そしたら一緒に…いられるよ?」


「本当!?じゃあ、はるちゃんの仕事のときについて行っていい?」


「うん」


「履歴書?とかは?」


「たぶんいらないと思う」


私も書いたことないから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る