沖縄の実

第19話

「女の子の服は作ったことないけど、分解したらわかるかも」

「そっか…それで…」

「はい、はるちゃん。これ似合うと思うな？」

レースでかわいいシャツに、チュール素材のついてるスカート。

「わぁ。かわいい…選んでくれてありがとう」

「うん！買うね？」

…へ。買ってくれるの？

店員さんも見惚れてる。実くんは、にこっと笑って戻ってきた。

「いったん帰ろう！着替えてお出かけしよ！はるちゃんもこれ着てみて」

「う、うん」

自然に手を繋がれ、一緒に歩く。

「後でご飯の材料買おう。あ、昼ごはんはどうしようかー？」

「どこかで食べる？」

「そーするー！」

とっても嬉しそうではしゃいでる。

家帰って着替えて、びっくり。実くんの買った服、すごくオシャレ。カジュアルなのに、遊びすぎないというか…くるぶしが見えるズボンなんて、準也（じゅんや）さんみたいな人しか履いてないと思ってた。

「うーん、ちょっとお直しするー。アイロンある？」

「え、うん」

お直しって？

わぁ…神業。一回縫ってるのほどいて、上手に縫ってる。裁縫道具いつも持ってるんだね。

「これならいいかな」

また着替えてきて、今度はさらに丈が短くなった。

「はるちゃんも着替えてね」

「うん」

モデルの仕事の服みたいなの選んでくれた実くん。しかもサイズ合ってる！