第18話

「あ、台所勝手に使っちゃった」


「え、いいよ?」


思い出したかのように、寝転がりながら言う実くん。と、がばっと起きる。


「はるちゃん、仕事は?」


「今日はないよ」


「お休みなんだね」


「予備日というか。撮影終わらないこともあるから。それで」


「そっか!じゃあさーお出かけしたい!…あ、俺服買わないと…着替え持ってないし」


「あ!そっか…。急だったもんね」


というわけで…デート!?とりあえず着替えないと!


で、街中を歩くと…ひえー目立つ!

実くん背が高くて、イケメンだから。ちらちらと見られていた。


「わぁー。アロハシャツ多いな!秋なのにね」


「そうかな」


なんか緊張する。デート初めて…

実くんはバツイチだからなのか、全然気にしてない様子。服を選んでたら、いつのまにかいない。一生懸命探してるみたい。サイズあるのかな?


「はるちゃん。かわいい服とか好き?」


「え?うん」


もう服買ってきてる。


「俺が選んでいい?」


「う、うん…どんなの?」


「スカート好き?」


「うん」


「そっか!こっちの店行こう?」


は!手を、つ、繋いで…


「そうだなぁ。ロングも可愛い。なにがいいかなー」


「…特にこだわりないけど、私あんまりセンスなくて…ワンピース着てたら選ばなくて済むから適当に着てたの…」


「そうかぁ。えっとー、こういうのは?チュール素材のやつ」


バレリーナみたいな?


「あー、そうだなぁ、これと合わせるのもいいなぁ」


「…実くん、服に詳しいね」


もしや…彼女にいつも選んでた?


「そう?俺ねぇー前は服屋さんで働いてたんだ!作ったりもできちゃう!」


「そ、そうなの!?」

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