第11話

「足助さん」


撮影が終わって、着替えに戻る。まだいたみたいでよかった。


「撮影終わりました」


「お疲れ様でした」


思わず抱きついていた。


「わ!」

「…ありがとうございました。本当に」


「い、いえ…」


「あ、失礼しました。着替えて帰りますね」


東京の仕事は、今後断ろう。私がちゃんと言えないせいだ。でも、足助さんとは会えなくなるのはちょっと寂しいな。


「あのー、足助さーん!」


「はーい」


餅月さんに呼ばれちゃったみたいで、移動しちゃった。


「ちょっと手が離せなくて…はるさんを空港まで送ってもらっていいですか?沖縄から来てるので、道がわからないので!護衛です」


「はい!タクシー使っていいですか?」


足助さんはすごい大きい声で話す。元気いっぱいみたい。


「はい、もちろんですよ!領収書をもらって下さいね」


「わかりました!で…バイト、何時までですか?」


「…あ、ちょっと確認に行きましょう!」


部屋出ていっちゃった。たぶん、バイトじゃだめってなって、餅月さんになるだろうな。申し訳ないと思っているけど、どうすることもできない。

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