第4話

「実さん、ほら見て!あそこ真奈さんいる!」


メイク室に行く途中、真奈ちゃんと知らない男が話しているところを宝之華ちゃんが知らせた。こっちは見てない。


「この構図は?どうですか?」

「そうですね…」

「文句あるってことですか?」

「いや、そうではなくて…」


仲良さそう。仕事のプロって感じ。そのまま無視して歩く。


「え、話しかけなくていいんですか?」


「うん…仕事しないとね」


メイクなんてしたことないけど?いいのかな?なにするんだろー?バイトだよね?


部屋に入るなり、宝之華ちゃんは男の人と話し出す。メイクしてる人は忙しそう。モデルさんは座ってメイクされてるところ。


「アルバイトくん、着替えの手伝いできる?」


男の人がなんか言った。あ、俺のこと言ってる?


「着替え?」


「頼まれたら、髪が崩れないように上着を羽織らせたり、あと脱いだ服を畳んだりハンガー掛け。できるかな」


「はい、できます」


「じゃ、ほのかちゃん。準備を」


「あ、はーい!着替えまーす」


なんだかみんな忙しそうだなぁ。

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