第122話 彼と尚文

 京介から今までもたびたび、尚文の相談ついでに、京介の自宅に私の荷物を置きっぱなしになっていた分を持って来てもらっていた。なので定期的に会っていたりする。


 尚文の子供の時に遊んでいた、レアカードや、最近のゲーム、使わなくなったPCなど安くネット上で売り買いするのもそっせんしてやっていた。尚文は意外と今流行ってるものを好むので、それなりに即売すると値が高い。私は梱包が好きなのと、人とのやりとりが好きだった。ぴったりハマった。


 尚文の最近は、私と離れて暮らすようになってからはかなり落ちてついてきたといっていた。やはり尚文の心をざわつかせていたのは私のようだった。それが分かっただけでも離れて苦しんだ価値は私にはあると思った。良かったのだ。


 尚文とのメールは受けるようにしている。実際はもうかれこれ1年近く会っていなかった。尚文から連絡は商品の事での業務連絡になっていた。なかなか踏み込んだ悩み事までは、聞ける余裕が私にはなかったが、たまにそのようなメールが来ることも無いこともない。


 メールが来た時も、私は不安になってどう返していいのか分からなくなっていた。そんな時は彼に今子供からこんなメール来ていて、と説明すると彼は心よくメールで会話に入ってくれたり、尚文のメールの文が分からない時も意味を丁寧に教えてくれたりしていた。(男の子同士だから分かることもある)


 積極的に彼は尚文と関わろうとしてくれ、友達になろうとしてくれた。尚文もまた最初はちょっと2人で話したいと彼をさけぎみだった。しかし、彼はそんな事も感じとって分かりながらも、いつでも力になってくれ、尚文の好きな話題とか動画とか送ってくれたりした。


 彼が每日電話をしてくれ、支えてくれ、每日抜け出せない悩みにとらわれていた私にとって、救われたんだなぁと思う。


 その間も、京介は京介で尚文と試行錯誤しながら生活していて、大喧嘩したり家出をしたり、数回ありその都度、どうしたらよいかわからず、ただただパニックになる私は情けなかった。


 何も結局出来ない私は、役立たずだ。むしろ害悪でしかない。そんな私を支えてくれてるのが、今いろんな事で、次から次へと問題だいをもってくる彼の存在だった。


 京介に私は年も離れてるし、仕事しながら尚文の食事や猫の世話まで私は任せてしまっている。


「私が尚文や京介に何が出来るのだろう?」


 今出来るとすれば回復する事しかなかった。


 そしていつか、めんと向かって尚文に会える事を目標に頑張ってみよう。そこに向かって自分を磨く私なのでした。


 そして今支えてくれている、数多くの友達と、彼には心の底から感謝している。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

親と子の壮絶なる戦い 黒猫 @tanokuro24

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ