第120話 彼が帰る日
焼肉屋さんのお金は実は彼が出してくれた。初めてご馳走になった。嬉しかった。帰り駅を通ると、ホールでケーキが、売っていた。「これ買って行こうか?」「いや、食べたしいらない」ここからは、節約で、過ごそうと思っていた。
次の日、彼と缶詰状態で1日自宅にいるのもなかなかきつい感じはする。ぷらーと、散歩に出かけた。近所にあったラーメン屋さんに入った。彼は気を使ってくれて、割り勘で出してくれるようになった。
タバコも今までは私が買っていたが、彼が、出すようになっていた。
私は、親の位牌がある。そこに、彼がちゃんと置き場を作ってあげて每日お茶をあげたほうがいいと、こっぷを買ってくれ、位牌置き場を作ってくれた。
炊飯器も直置きしていたのだが、それも、上手く器用に園芸用品で、キャスターをつけて作ってくれた。
窓の隙間からカナブンが入ってくるほど、隙間があいていたので、そこも、器用にテープを貼って直してくれた。
食費の足しにといくらかお金を渡された。最初はいろいろ考えて、地元の名産品を並べた食事を作ったりしたが、今はありあわせのものでしのいでいた。
彼が帰る当日、車の中で彼は「俺はありがとうは言わない、言ったら終わるような気がするから」と言っていた。良く分からなかった。できれば、ありがとうぐらい言ってほしかった。
新幹線ホームに行くと、お金が落ちていた。彼はすぐさまラッキーと言わんばかりに拾っていた。
彼はそのまま、帰っていった。嵐のような1ヶ月だったような気がする。
彼が帰って、私は正直もうやるだけのことはやったと思った。これで、連絡来なくなっても、彼にいい思い出を作ってあげられたんではないかと思った。
彼が帰ってから、私がおかしいのか、愚痴を友達に聞いてもらった。やっぱりおかしいのは、彼の方だ!それから私の猛反撃が始まるのである。
彼は恋人関係で大事な事は、なんでも言い合える事って言っているので、いいたい事を言ってみた!なんで、「でぶは嫌いとかいうのとか?」「私の事どう思ってるの?」とか。
前の奥様が太っていて、怖かったから嫌いと言う理由らしいかった。一応理由があるものの、太ってる人の前で言ってはいけないと思う。まして彼女の前で。
そして、散々私が言うとレディボーゲンだど言われた。上手い事を言ってもやめないぞ。悲しかった事実を散々言った。彼はひたすらうんうんと聞いていた。
この時、彼の実家で、機械が故障して、彼は仕送りを少しまとまった額することになっていた。
彼はいつもギリギリの生活をしてるのに、冬になって、レンジが壊れたと言っていた。炊飯器もなく、ガスコンロもない。ホットプレートだけの生活を送っていた。
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