第118話 メガネ欲しい?
無事ライブも終わり、後はやり残す事はない?のかと思いきや、2週間がたった今でも彼は凄くここの場所が気に入ってくれたらしく、まだ帰る様子はなかった。
「今日は近くのモールに行こうか、ここらへんでは有名なんだよ」
「うん行ってみる!メガネ俺に買ってよ、買ってくれたら、常に一緒にいるみたいだし、なんか婚約指輪みたいじゃない?2つお揃いで買おう!」
「えっ?でもさ、私メガネかけてないよ、使うとしても、夜車乗る時、たまに見えづらい時くらいに使う時くらいだから」
「常にかけたら、いいじゃない?」
「えっ?意味わからないんだけど?」
「エヴァンゲリオンのマリみたいでいいんだけど」
「余計意味わからないんですけど」
よく分からなかったけど、そんなに何でも言い合える仲でもなかったので、とりあえずモールに行く事にした。
2階のアパレルのコーナーに最初向かった。
「ささくん、ねぇねぇ私こんなの似合うと思わない?」
「……」
無視して、スタスタ先に歩いて行ってしまう。聞こえなかったのかな?
「ねぇねぇ、これ私似合う?」
帽子をかぶってみせた。
「……」
「これ俺似合う?」
私の質問には無視して、質問に質問で返してきた。
最悪だ……。
こんなに、悲しかった事はない。でも大人気ないので、切り替えて、「うん、似合うね、でもこっちの方が似合うかもね」って真剣に見て歩いた。
その後、彼がメガネ屋さんに有言実行通り、メガネ屋さんに向かった。
「どんなメガネ俺似合うと思う?」
さっきの事があったので、見てあげたくなかった、しかもどうせ、私のお金だ。私に買ってもらう気満々なのに、店の中でも高いメガネを見ている。
「好きなの選べばいいんじゃない?」
私は投げやりだった。
「みわさんは、メガネ選ばないの?」
この期に及んでまだそんな事を言っている。モールの中なので、何万もするわけではないけど、それなりに1万に近い金額はする。もうすでに10万くらい使っている私には、あまり使いたくなかった。
早く終わらせたかった私は必要最低限だけこなして、手短に会計まですませた。
その後、彼がトイレ行ってる間に、私の友達に悲しくなって、愚痴メールをしようと思っていたのだが、心配させてもと思い、「これからサイゼ女子になりまーす」とメールを打っていた。お腹が空いたからサイゼに行こうと言っていたのだ。
トイレから戻ってきた彼が、なんとなくそれを察知してか、急に焼き鳥が売ってるコーナーに行き、1番高い鰻の肝を1本だけ彼が購入して、フードコートで私に半分食べなよと勧めてきた。
これはなんのいとがあったのか。多分私の友達に変な報告をされない為のカモフラージュなのか。よくわからなかった。
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