第114話 処理水が流された日
「明日8月24日は、処理水が海に流されるんだよ、知ってるかい、猫ちゃん」
「にゃ〜」
ご飯をお腹いっぱい食べた猫ちゃんに、彼は今度お水をあげながら、そんな話しをしていた。
「明日はだから、朝一で帰ろうと思うんだ」
「えっ~、せっかく大変な思いして来たのに、朝一で帰るの?もっとゆっくりしていたいよ」
「ふにゃ〜」
猫はあくびをして、背伸びをすると満足したかのように、どこかに行ってしまった。
「ほんとに帰っちゃうの?」
「船も午前中の方が揺れないから、酔わないって言ってただろ、だから帰ろう」
「せっかく泊まったし、猫ちゃんともっと一緒にいたかったな〜」
明け方、朝一番で支度して、船に間に合うように、宿を出た。途中昨日は、会わなかった猫ちゃんたちも見かけ、写真もここぞとばかりに沢山撮った。
船着き場までくると、昨日の宿まで来ていた黒猫ちゃんが、きていた。頭を撫でまた来るね、元気でねっといい名残惜しく船を待っていると、島民がやってきて、「今日は診察だから、船に乗るんだ」と話しかけられた。
なんか、こんなのんびりした日常も悪くない。
少し時間があったので日陰で休んでいると、さっきのおばあちゃんが、隣に来ておもむろに横に座ると荷物から子猫用のキャットフードを取り出した。猫達がかけよってきて私達の周りが猫だらけになった。幸せの時間だった。
帰りの船は、酔わずに無事着く事ができた。
「楽しかったね、楽しい思い出になった」
「可愛かった、良い旅行だったね」
大満足の旅行だった。彼と私は帰りは観光地により名物を食べ歩きしながら、自宅に帰った。
「海に流すってどういう事なんだろう、でも安全っては言ってたんだよね」
「いずれにしても、船も午後だと波高くなるっていうから早く帰って来たのは、良かったんじゃないかな?」
「何事もなければいいのだけど」
「猫ちゃんは幸せに暮らせるかな」
「大丈夫だよ、また行けるといいね」
次の日は、久しぶりに自宅で旅行の疲れをとり、ゆっくりして洗濯をしたり、サブスクでアニメを一気見して、くつろいでいた。夜になり、友達とVチューバーの配信をした。彼にはアバターを作成してもらい初配信者になってもらった。
彼は旅行の話しを沢山していた。投げ銭も少しだけ貰えていたようだった。フッフビギナー応援だ。
その後、友達とVチューバーの話しの流れで、アニメの話しになり地元でライブのイベントがあるから来てみない?という話になった。それに参加するには、彼は帰るのを1週間のばさなければいけなかったのだが、せっかくだから行こうという話しになった。
その時は1週間のびたから、ただただ彼と一緒にまだいられると思い喜んでいた。
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