第112話 島の駅
「待って〜猫ちゃん」
「大丈夫〜、見つかった? 足元、気をつけてね〜無理しないでね〜」
彼は黒猫ちゃんを追いかけ、竹藪の中に入って行った。私はもうそこまではついていけないので、彼が帰り道分からなくならないように声をかけながら、待っていた。
「みわさん〜、黒猫ちゃんを追っかけてたら、大きい古い御屋敷あったよ〜もう誰も住んでないけど」
「そうなんだ~」
「多分、さっきのお社守ってた、お家かもしれないね〜ここに案内して来たかっんだよ、あの猫ちゃん」
「どこか、ケガとかしてない?黒猫ちゃんはどこに行ったの?」
「あの御屋敷の前でヒョイッといなくなった」
「じゃあ戻ろうか」
「そうだね」
そう言いながら2人で、また猫神社に向かって歩きだすと、道路に1匹、2匹、猫が増えてくる。なんて可愛いいんだ。毛づくろいしてくつろいでいた。人慣れしてるのもあって逃げる様子は全然なかった。5匹、6匹、猫ちゃん達の群れがあった。
猫神社に行く途中、数えて50匹以上のもふもふと出会えて幸せになっている時、島の駅と言うカフェのような店に立ち寄った。
お店は、もう夕方で閉まっていたが、丁度猫たちの御飯タイムに遭遇して、お店の人が御飯をあげていた。どこからともなくやってきた猫たちは、100匹くらいいたのではないだろうか。
それはまたとないチャンス。写真を撮ったり、もふもふしたり、丁度温かな夏の夕日に照らされて、幸せな時間を過ごした。さっきまでいた店の人は帰り、猫と彼と私はその場に残されて時間が止まっていた。
私は一匹の子猫と仲良くなっていた。鼻チューをしたり、ベタベタしたり、子猫も私の後をついてきていた。可愛いかった。
「みわさん、そろそろ暗くならないうちに神社に行くよ〜」
「うーん」
名残おしいが、宿にも戻らなくてはならないし、神社に行くのが目的だしと心の中で葛藤しながら、重い腰をあげ、その場を離れた。
そしたら、どうした事だろう? 子猫達が4匹付いてくるではないか! 愛して病まなかったさっきの子猫ちゃんもいる!
ダッダッダッピタッ
振り向いて待ってる。私達追いつく。
ダッダッダッピタッ
振り向いて待ってる。私達来てるかな〜。
って顔して見てるかのような子猫達。
ダッダッダッ、時に横にそれ、遊んでまた戻り、ダッダッダッ振り向いて見る。
これを幾度となく繰り返し。
もぉ~可愛い!
「私達案内されてるね、これ」
「そうだね、これは猫神社まで続いてそうだね」
「道案内が子猫っていうのが、可愛いね、しかも4匹だよ、めちゃくちゃ可愛い」
「だね〜大人の猫ちゃんが、ほら見てごらん、道の先々で、見守ってみてるから」
「あっ本当だね、猫達から教わる事多いのかもしれないね」
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