第106話 彼との出会い
「いつか会いたいです。こちらに来たら案内しますよ、行きたい所、観てみたい所とかないですか?」
「じゃあ、僕が行く時に使うお金そちらに送るのでそれで一緒に遊びましょう、そちらに猫島ってありますよね?そちらに行ってみませんか?日にちは、数ヶ月先の誕生日にしましょう」
「それは、楽しそうですね。でもお金は送らなくてもいいですよ。使う時、割り勘とか、案内する車代は、もちますので。」
「夫婦みたいな感じをあじわいたいだけなんです。勝手なんですけど、彼女に自分のお金でやりくりしてもらいたくて、財布からだしてもらいたい願望があるだけなんです」
「そういう事なら分かりました。私も一緒に同じ額を貯めていくので、そこから2人で使いましょう。まだ会うまで時間があるし」
彼はかなり積極的だった。電話が出来る時は、そんな話しをしたりして、やたら夫婦とか事実婚をアピールしてきた。
「会うなら先に神社に行きましょう。そちらにどんな神社ありますか?結婚式みたいな感じで、お参りしておみくじ引きましょう」
「二柱神社って神社があります、イザナギノミコト イザナミノミコトが祀ってある神社で、縁結びの神社がありますよ」
「そこいいですね。そこにしましょう。お賽銭に、新札用意していれましょう」
真剣に交際を意識してくれているんだなと思っていたが、一度も会った事もないのにこんなモチベーションの彼が不思議でしょうがない事も事実だった。
実際お金が、数回に分けられて送られてきて、その都度手紙も届いた。なので彼の思いが伝わっていたので、私も応えようと、旅行先に問い合わせしたり、予約をしたり準備をしたりしていた。
彼が来る予定の2週間前の事だった。急に彼の様子がおかしくなり、電話先で、「行けないかもしれない」
「ん?どういう事?」
「お金をすってしまった」
「すったって?」
「お金を増やそうと、ギャンブルをしたら生活費もなくなって、今家賃も払えなくなってチケットも売らなくてはいけなくなった」
「???」
私はギャンブルする人の気持ちがわかなかった。意味も分からなかった。でもとりあえず、今お金がなくて困ってると言うことは理解した。
「でもさ、もう旅行予約したし、今更キャンセルしても、キャンセル料かかるし、せっかくだから遊びにおいでよ。家賃分は遊ぶために送ってもらったお金返せばなんとかなるでしょ」
「そうしてもらうと助かる」
「うん」
私は、ほぼ送られててきたお金は返金した。
それから、数日後無事に彼と初ご対面した。
彼の印象は、凄く痩せていて小さい人で写真とか、動画とは別人のようだった。緊張した感じで、少し怯えているようにも見えた。
初めての街で、遠い長旅で疲れたのか、初めて会う彼女にワクワクって顔ではなかったような気がした。
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