第105話 彼の過去
ささくんとはいろんな話をした。
その中でも、彼の元カノさんの話はすごかった。彫師、ホステス、風俗嬢、パチンコ店の店員、それだけではない。女装をこよなく愛する男性とも付き合っていた。
ささくんは、一度結婚歴もあった。その方は唯一どちらかといえば普通の方だったみたいだが、結婚当時60キロ代だったのが、離婚当時は120キロを奥さまは超えていたそうだ。さらに奥さまは、ギャンブル依存症になって、300万の借金を作っていたらしい。
家も一度、仕事に行ってる間に放火にあったらしい。
いろいろ異色な経験を持ちすぎてる彼だけに、自分の事を小説に書いてもらうより、彼の過去を小説にした方が、かなり面白いと、思って、彼に自伝を書いてもらうのを諦めらめることが出来た。
彼は、私の事を不思議な縁を感じてくれたらしい。なぜか、私が感じてる事や考えてることが、手に取るように分かる。遠い昔からの知り合いのように感じてくれた。それからの彼との付き合いが今にいたる。
彼からお付き合いを申込みこみされた。
正式にされた事に舞い上がってしまった私は、誠実な思いに嬉しくて、はいと答えた。
私はまだ前の影響で周りで大きい音が出ていると怖くて涙が止まらなくなる事があった。メールで、《怖いんですよね》と書くと、すぐ電話かけてくれたりしてくれる優しい人だった。
彼とは毎日電話や、メールをしていた。私はいろんな人と毎日出掛けていたけど、少しずつ、彼が待っていると思うと出かけるのも少しずつやめていった。彼とは下手すると、20時間くらい電話で話す事もあった。メールも受けなくても、10から20くらいユーチューブの音楽動画がラインに来ていた。
そのうち、ほとんど彼中心の生活になっていて、朝から夜寝るまで電話をしていた。彼も今は休職中だったのだ。
彼は他の人と、会う事を心よく思わなかった。
そのうち、彼と会う話しになったが、新幹線で移動しなければならない距離だった。極貧な私達にとっては、なかなか会えない。旅費を貯めて、会う計画を立てた。
それから数週間後、大手の俳句コンテストで落選してしまった彼を励ましてあげたくて、私はネットサーフィンをしていて、カクヨムの俳句コンテストを見つけた。一緒に応募しようって誘ったのはいいのだが、その後が大変だった。
最初のうちは、添削してもらったり楽しくやっていた。いつしか追い込まれた?締め切りに全力を出し切りたいと思ったのか、彼は私の電話は無視するようになった。かけても一度受けとって切る。毎日連絡くれてたのに、あからさまに不機嫌になっている、《電源がない》と私を避けるようになっていた。
私は悩んで、1人になりたいと何度も思った。すでに彼中心の生活になっていた私は周りの友人関係は、すべて切っていた。
孤独になってしまった私は病んでしまった。
彼に近づきすぎた。1人で考える時間が欲しい。そう考えてると、彼から意地悪く電話がくる。1人にしてくれない。
私の中の、私が電話を無視できない。
辛い日々だった。
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