第104話 SNSでの出会い
彼の名前は、笹木健太(通称ささくん)彼のSNS記事に目が止まり、普段は自分から相手の投稿には滅多に送らない私なのだが、あまりの面白いフレーズに是非話してみたくなってしまった。
《初めまして黒猫と申します。
掲載されているメンバー募集の投稿をみてご連絡いたしました。
ぜひ、仲良くしていただきたいです。
よろしくお願いします》
《はい。おはようございます。こちらこそ、よろしくお願いします( =^ω^)》
《タイトル面白そうだから連絡しちゃいました😸》
《特に雑談する以外に活動してないですけどねww》
こんなやり取りだった。最初は1日に2、3回程度の日常会話だった。アニメの話で意気投合した時は回数が増えていた。しかしそのうち彼のメールの文章が、気落ちしてるような日があった。毎日やり取りしていくうちになんとなく相手の感情が文章から伝わってきた。なんとなく心配になった私は、ラインの交換を申し出た。すんなりOKをもらえた。
ラインを交換したその日の午後、ささくんから電話がかかってきた。
「ちょっと聞いてくれますか?今日は僕の誕生日だったんですよ。なんですけどね、それが、この間PCの接続の仕方わからないって困ってる方がいて、そのお礼に、お茶でもしませんか?って今日誘われたんですよ。その方に。行ってみたら、サイゼでご飯を奢らせられました」
「ん?うーん。笑 まあそういう事もありますよ!お礼にはなってないかもしれませんが、思ってたのと違ってたのであれば残念な誕生日でしたね」
初めてささくんと話した内容がこれだった。本当に残念そうで、いきどうりを感じてもやもやを誰かに聞いてもらいたそうな感じだった。
今思うと、初めて話すのに自虐ネタ?なんて面白い人なんだ。と取るか、フザけた人ととるかは紙一重である。
ちなみにささくんの年齢は私と同じと言う事が後から分かり、小説が大好きで毎日頭の中は小説のシナリオを考えてる小説ヲタクである。読むのも書くのも大好きで、小説が恋人と言っていた。
ささくんは、昔からネットでは小説を書いていて、結構それなりに人気があったらしい。いろんな作品を出している。今では誰でも投稿出来るので、気兼ねなくチャレンジしやすい。俳句や短歌も新聞に載ったり賞をとったりしていた。
そんなささくんに、私は自分の今まであった経験をぜひ書いて欲しいとお願いした。そしたら、「書きません」と一言。がっかりした。
私は今まで、時間が許すかぎり、1人になれる時に図書館に通って、どうしたら今の状況を脱却できるのか、片っ端から調べた。何か抜け出すヒントが書いてないか、それらしき本を読みあさっていた。でも結局答えは本には書かれてはいなかった。
なので、少しでも似たような経験をしてる人の励みになってもらえたらと思い、1人でも多くの人の目に自分の経験を伝えたかったのだ。
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