第97話 友達募集!

【お友達募集!女性限定!年齢不問 カフェでお茶したり、ランチしたりできる方よろしくお願いします!】


 話が少しさかのぼるが、山奥の人里離れた一軒家に住んでいたけど、尚文を置いて飛び出した時期に、そのような募集をSNSに投稿した。出来るだけ人と会って気を紛らわしていたかった。


 幸い、いろいろな方から返事が来たので、早速会う約束を取り付けた。遠方から来るその人は高速道路を使って、わざわざ会いに来てくれた。私の地元ではわりと有名なレストランで、彼女は率先して予約まで入れてくれていた。


 彼女は3つくらい年上で、さきさんと言った。見た目は痩せていて、身長は160センチあるかないかくらいだろうか。後で聞いた話だが、元モデルだったそうだ。少し前まで某有名ミュージシャンの歌詞を書いていた彼と付きあっていて異色の彼女だった。


 お互い自己紹介をして、今の家庭の状況や仕事の話、家族の話しなんかをして、その日は次回会う約束をして2時間くらいで別れた。


 次に誘われたのが、図書館の喫茶店だった。その時は、男友達を2人連れて来ていたのだが、これまたアーティストタイプな感じの男の子達だった。1人は真っ白な肌で痩せ型で上下真っ黒な服に、さらさらストレートロングな髪が腰まで伸びていた。もう一人は、150センチくらいの、わりかし可愛い感じの、まあるい顔に丸メガネの、やはり髪が引きずるくらい長い、髪を束ねていた。


 もはや、1人女の子なのでは?というくらいの可愛いらしさに、もう一人は、ホストのようなイケメン?ん~~、いや、芸術家か。と内心ワクワクしながら彼らを見ていた。


「始めまして。よく喫茶店とか来るんですか?」


「そうなんですよ。カフェ会ってやってまして。その仲間なんですよ。携帯ゲームとかもオンラインでやってるんですけど、良かったら、一緒にやりませんか?」


「あっぜひ。お願いします。携帯ゲームあまりしたことないんですけど、教えて頂ければ、やってみたいです」


 終始和やかに、時間があっと言う間に過ぎていった。楽しいひとときだった。そこで出会った彼らは下野さんと、先生と呼ばれている。かなり話してみて、言葉選びにセンスの良さを感じる人達だった。素敵な出会いだったので、さきさんにはやはり感謝している。


 さきさんとは、一ヶ月に一度会う約束をいつもしていた。次回はカフェ会にお呼ばれされたので、今回会った彼らとまた会う事になるのだ。自宅にいながらのオンラインゲームもやろうと誘われていたので、とても楽しみにしていた。


 次のカフェ会でまた新たな女性と知り合う事になるのだが、私にとっては運命の出会いだった。彼女と出会って本当に良かったと思っている。楽しい時間を沢山過ごす事になるのだが、感謝してもしきれない。彼女には幸せになってもらいたいと常々願っている。

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