第68話 ネットカフェ

 夜中「ピンポーン」京介の元に尚文が深夜3時タクシーをなんとか捕まえて、2万3千円かけて、走らせて来たらしい。お金はいつか使う時の為に、ある程度貯めて置いておいたものを思い出して、持ってきたらしい。


 田舎の県境に住んでいた為にどこも、閉まっていて、タクシーも捕まらなかったらしい。後で聞いた話だが、大きな駅前からタクシーを2時間待ちして、呼んでさらに、田舎の京介の、住んでいた所に来たらしかった。


しかし、京介は受け入れなかったと言う。

ここには、母親は来てないと言い、尚文が行き場がないのに、拒んだらしい。


 その後尚文は、ネットでビジネスホテルを予約して、タクシーでまた駅前に向かった。だが、明け方と言う事もあり、日付が変わって予約した時は、3,800円で泊まれたはずだったのに、着いた時点だと、11000円かかると言われた。


 今後の為にも、あまり費用はかけられないと考えた尚文は、4キロ以上離れてるネットカフェまで、夢我夢中で歩いたらしい。空腹だった事も忘れて、疲れが極限状態だった尚文は、ネットカフェに着くと飲まず食わずで、3日間眠り続けた。


 私はというと、また京介の所に行っていた。京介から朝早く電話がかかってきて、昨日の状況も聞いた事もあったのだが、預けてる猫にも会いに行きたかった。


今回で私の家出は、3回目になるのだが、実は数年前、私が一回目の家出をした時、すでに京介とは、離婚が成立していた。


 理由としては、私が始めどんな理由であろうとも、尚文をつれて家を出たのが京介には面白くなかったらしい。すでに終わってると言われた。なぜなら今思えば、京介が仕事をリストラされて大変な時期だった事もあったからだ。


 私が引っ越しした理由は、尚文がノイローゼだった事と、単位をここにいては落とすと思ったのと、購入したマンションがこれ以上尚文のパンチで穴凹だらけにするわけにいかないと考えたからだった。


 いろいろすれ違いで、離婚はしていたがあまりにも壮絶すぎて、京介がサポートを今までしてくれていた。感謝しかない。


京介に対しては感謝してはいるが、尚文と3人で京介の自宅にいる時、なんども私は尚史に殴られてる。京介が止めようとすると尚史は、京介と殴り合いになった。あまり大事になるので、何度も警察に止めてもらっていた。


 そのうち、京介は見て見ぬふりをするようになり、尚史の言う事を聞くから、ワガママになるんだ。聞かないと手をあげられると言うと、殴られるのをがまんすればいいと言われた。


私はいつも殴られて耐えていた。そしてあざだらけだった。辛かった。でも、間違っていれば、してほしくないからきちんと、尚史には伝えていたつもりだ。


でも、今思えばそれだけ辛い思いをこどもがしていたと言う事なのかもしれない。




 

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