第56話 次なる新居
障害者相談支援事業所の人に付きそってもらい、 新たなる新居を探してもらった。
そこは、アパートタイプで、2階の角の部屋だった。食事は1階で朝晩の2回は一緒に食べるグループホームだった。
街の中だったので、比較的隣同士の密接間はなく、誰が住んでいるのかも分からない状態だった。
時々職員が様子見しに来てくれると言う事で、週1とかはどこかに皆で行きたい人は車で乗り合わせしたりして、出かけたりするらしい。
基本は、一人で自由な時間が持てる事になる。洗濯やゴミ出しは自分でするが分からなければ職員に聞いて下さいとの事だった。
隣の部屋は後で分かった事だが、従業員が休憩や、作業場に使っている部屋に使われていて、普段は空き部屋らしい。
早速申し込みを済ませ、必要な遮光カーテンや、冷蔵庫、洗濯機などを揃えた。
話せる職員もいてここでは大丈夫かなと安心していた。2、3日過ぎた頃、職員さん2人から個人的にお休みが取れたので外で尚文と4人で会いましょうと連絡が私の携帯に入った。
指定されたグループホームに近い、有名な少し大きめの公園で待ち合わせをした。
「こんにちは!今日は貴重なお時間とって頂きありがとうございます。」
「私たちも、仕事抜きでお話したかったんですよ。実は私の個人的な事なんですが、1人息子がいて、やはり尚文くんと似たような状態だったんですよ」
「そうなんですね。それは経験ある方で頼もしいです」
「今は仕事にもついて、離れて暮らしていて最近では、一緒にライブを、見に行ったりしてるんですよ。」
「じゃあ、落ち着かれて良かったですね」
「それまで、いろいろ大変でしたけどね、前までは尚文君とお母さんみたいな状況だったので是非協力させてくださいね」
「あと、私達ここの所長と、折り合いがわるくて、方針というか考え方が違うので、やりづらさを感じてるんです。だから、現場には所長は来ないので、私達の指示に従って下さい。所長に言われても無視していいので」
と、意味深な事を言われた。まあ、冗談かと思い深くは受け止めなく、軽く流していた。その職員さんは主任さんだった。次の日の事だった。尚文からメールが届いた。
「グループホームの建物の向かいの一軒家が四六時中外に出ていて、俺が朝晩1階に降りていくたび、こっちを顔見して、咳かけたりしてくるんだよね」
「気のせいとかじゃなく?」
「昨日の夜なんて、奥さんみたいな人がお玉2つもって、玄関前に出て来て、庭でこっち見て叩いてなんか叫んでんだよね、気味悪くて」
「おかしいね、そんな事あるの?」
「その前は、そこの家が昼間、庭でバトミントンして、その後バーベキューしてて騒いでて」
「うん」
「夜は車を斜めに向けてライトを遠目でちょうど、俺の玄関が当たる感じで照らしてるし」
「それは災難だったね、職員さんに、食事の時間の時、呼びに来てくれるなら、一緒に食堂まで連れて行ってもらってみてはどうかな?」
「そうしてみる」
そんな一連の流れがありつつの、仲の良かった職員さんは、尚文からアパートに入って3日あたりから長期休暇を取っているらしく話せる人がいなくなったという。任せて下さいと言っていた、職員さんが外で会った日からずっと休んでいた。
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