第48話 同居
尚文から言われた通り、警察からその後、連絡が入るが、事情をいうと元気な事だけ伝え連絡先や場所は伝えないと言われた。
しかしその後、京介から連絡があり、あの後、京介の姉の自宅に尚文がお世話になっていたようだったが、やはり騒音で上手くいかなくなり飛び出していったと言われた。
ビジネスホテルに滞在していた尚文から、その後、私のほうに電話があった。
「今父親の車からほうり出されて、街のビジネスホテルに入ったのだけど、明日迎えに来てくれないかな。」
「ぱぱと喧嘩したの?」
「もう、面倒見きれないと言われ、捨てられた。行き場がないから一緒に住みたいのだけど。」
「そうなんだ…今は私も新しい生活始めてるから、すぐには一緒に住めないんだけども。新しいアパート一緒に探そうか」
急遽決まった話に、断る事も出来ず今、やれるだけの事をやろうと思っていた。京介になんで、こうなったか理由を聞くと、原因が私にあると言われた。
「お前が、電話なんてしてくるから頼れると思って逃げ出したんだろ!俺は知らんぞ!」
京介にそう言われ、今まで頑張って親戚となんとかやっていたのをぶち壊したのは、私の電話が原因との事だった。
私は、自分がした事がいかに尚文にとっても京介にとっても親戚にとってもまた無駄になる事をしてしまったのかと反省したが遅かった。
職場を斡旋してくれてたセンターの所長さんに事情を説明し、そこを辞める事になり、家も出る手続きをした。
心配してくれた所長さんはいろいろ空き家を探してくれたが、なかなか尚文が住めそうな部屋を探すのが難しかった。近隣が静かでなければ住めないからだ。
ビジネスホテルを転々としながら昼間は家探しをしていた。なかなか見つからない日々が続いていたが、そんな時、山の奥地に休憩しに行った時の事だった。一軒の猫サロンの文字が気になった。
どうしようもなくその看板がきになり、後日連絡し、行ってみることにした。そこは、保護猫をサポートし、活動する場所で、譲渡とかメインにしてるサロンだった。オーナーさんは、気さくな女性の方だった。
私は猫が大好きで、目がない。沢山の猫を眼の前にして、凄く癒やされた気持ちになった。オーナーさんに頼んで、お世話を少しさせてもらえないか、お願いしたら快く承諾してもらえた。
その御礼に帰りにコーヒーをご馳走になり少し話をさせてもらった。猫サロンのオーナーさんは、個人的に占いもしていて、なんとなく私に悩みがある事が分かったと言ってくれて占ってもくれた。
尚文の事を相談すると、すぐ連れてきなさい。と言われ、住む家で困ってるならと言って、近くのロッジのオーナーに連絡をいれてくれて、内覧予約と、家賃の交渉をその場でしてくれた。
そのオーナーさんの行動力にびっくりした。今でも感謝してもしきれないくらい恩人だと思っている。
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