第47話 新しい生活
ひたすらバイパスを街に向かって車を走らせ、1人ビジネスホテルにその日は泊まることにした。
(明日からどうしよう……とりあえず疲れたから今日は休もう)
内心、しばらく何も考えたくなくなっていた。携帯電話がないのはこんなにも不便なものかとあらためて考えていた。
次の日、電気屋で格安スマホを早速契約した。
次にするのは、知り合いに相談する事だと思った私は、法律事務所をかかえている知人なら携帯で調べられると思い連絡をとった。
知人は都合をすぐつけてくれその日には会える手はずになった。待ち合わせの和風れすとらんで、今までのいきさつを話すと、いくつか有力な情報ももらえた。
それから3日間別のビジネスホテルに泊まり、そこから、知人からもらった情報を頼りに相談センターに行き、家や仕事の情報を聞きに行った。
紹介された仕事場に、見学しに行きそこの、所長さんといろいろ話ていたら、部屋も紹介してくれるとの事。
2つ返事でお願いし、部屋を借りる事が出来た。お風呂もトイレも共同だけど、家電は備え付きで、大きなものを購入する必要はなかった。
偶然空いてる部屋が2つほどあり、所長さんが大家さんと言うことから、敷金礼金ゼロ家賃代だけで、住まわせてもらえる事になった。
いろいろ運良く話が進んで、私が行った所は、仕事のサポートをしてくれる、パソコンの職業訓練校みたいな所だった。
エクセル、ワード、ホームページ作成まで幅広く勉強する事が出来た。
毎日が新鮮で、とても楽しかった。
生活が安定してきて、毎日のルーティンも決まってくると、心に余裕が出てくる。
ネットで、いろんな人と交流を持ちたいと書き込みをしたり、友達募集に問い合わせをしてみたりした。
何人か日にちや場所も、約束までして、前日になると、何故かドタキャンされる事が、度々あり、会える人は、ほんのひと握りだった。
一ヶ月ほどたった頃だろうか、人恋しくなり淋しくなり、血迷った私はうる覚えしていた、尚文の携帯に連絡を無意識にいれていた。
半分その番号が、間違っていればいいとおもいつつ、かなりドキドキに携帯を鳴らした。
「………はい」
「尚文……?元気にしてた?」
「うん……元気だった、実はあの後、捜索願出していて、警察から連絡行くかもしれない」
「あと、興信所にも俺調べてもらうためにいろいろ、聞いてたんだけど、料金が50万ってぼったくられそうな事言われて、仕方なくやめたんだよ。」
「俺じゃ何やっても相手にされなくて、駄目だなぁって思い知らされたよ」
「そうだったんだ…心配してくれたんだね、大丈夫、元気だから安心してね」
といい、その時は電話を切ったのだが、その後の事など予想もしていなかった。
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