第45話 深夜の痛み

 「調子が悪くて……。ちょっといてもらえないかな」


 尚文に呼ばれたのは、深夜2時を周った頃だった。胸が急激に掴まれるような強い痛みに襲われ、息が出来なくて、片足が吊るように痛み出したらしい。

 熱を測ったら、38.2℃高熱だ。話せる状態じゃなかった。


 頭を冷やしたり、換気をしたり熱を下げる薬を飲ませたり、とりあえず水分とらせて横にならせた。

 今考えるとすぐ救急で見てもらえば良かったのかもしれないが、その時は安静にして休ませてあげようとしか考えなかった。

 

 夜中の2時に換気をしたりして窓をあけた事や、ゼイゼイしてたので最初は横になれず、椅子に座らせ、新鮮な空気を吸わせてあげるため、椅子を動かしていた。


 その音に腹を立てた隣人が、庭先に出てきて夜中にこちらに向かって怒鳴りつけてきた。


「いい加減にしろ!何時だと思ってるんだ!」


 隣とは、対して離れてないので、話声も深夜なので響いてしまったのだろう。


 参ってしまった。


 辛い時に、周りまで気遣う余裕が正直なくなる。自分の事でいっぱいいっぱいだった私は悲しくてたまらなかった。


 少し落ち着いて、尚文を寝かせて、私も横になると、私も急に心臓を鷲掴みされたような痛みに陥った。

 動悸や、息切れがして、足に痛みが走る。

一瞬死ぬんじゃないかと考えてしまった。

 

 こんな痛みを尚文も感じていたのかと思ったらどれだけ不安だったかと思った。


 朝を迎え、病院に行くと診断名は、急性胃腸炎と言われた。


 熱は相変わらず39℃と高いままだったが、5日分の薬渡されて帰された。


 朝、昼、ドライブスルーで、夜はカップラーメンの生活がたたったのかもしれない。


 その時は、少し回復するまで尚文も私も自宅でしばし休む事が出来た。


 その事もあり、数日過ごすと、花火や、ピストルの音が毎日なってるのではない事が分かった。音のする日は、決まって毎週土日。


 そして、一度その音をイヤフォンで防ぐ事が出来ればもうやらないのかと思いきや、そうではない、一時間おきに何十発音がする時がある事が分かった。

 

 ずっとイヤフォンをしてるという選択も出来なくはなかったが、尚文にとっては、自分に向けて嫌がらせでやっていると思っているので、音を出してる本人と戦うか、その現場から逃げるかの2択しかなかった。


 私は、土日だけ車で音対策に出るようになった事は、だいぶ楽になったので助かっていた。

 しかし、そう感じたのもつかの間、近所の騒音が激しくなってくる。


 車で出かける際、わざわざ、その人の自宅前ではなく、家の前の道路に車を止めて、その人の家族が乗り降りする。

 車のドアの開けしめがただでさえ苦手なのに、こうもなぜ?と疑問に感じる。

 

 少し家の前の道は坂道になってるのだが、あえて、ふかして爆音で毎度登っていく。


 家の前の道路をとろとろ10キロくらいのスピードで1日に何度も周回する不審な近所の黒い車がいたり。


 夜中風呂桶をバタンバタンおもいっきり投げつけてる隣の家があり、家が車で帰ると決まって風呂場の電気をつけて30分くらいやっているとか。


 横に畑があるのだが、そこにいる隣人に、家が洗濯物を外に干すたび咳で威嚇される?とかだ。


そんなこんなで、また平日もいられなくなっていくのだった。


 









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