第38話 警察の対応
京介は、被害届けを出していた警察署に行き、真鍋から電話があった内容を一部始終、伝え、会話を録音していたので、聞いてもらった。
「以後、真鍋から連絡がきても、接触したりはくれぐれもしないでください。できるだけ、電話にも出られない方がいいです」
と警察から言われた。
だが、ここで連絡を急にたつと、逆に怪しまれて、逃げられる可能性もあるし、つないでいれば足取りや、証拠も掴めるかもしれない。
そう考えた京介と私は、再度真鍋からの連絡を待っていた。
―数日後―
真鍋から案の定連絡が来た。
「財布は、買う気になった?1万円でもいいんだけど?これ確かブランドものだよね?」
「あー、それさー、いいや、まだ持ってて」
「…ん?……えっと……そ、うっか……。じゃあ、5000円でもいいんだけど……」
「あー、悪いんだけど、持っててくれ。頼むな」
「……また、連絡する」
真鍋とのやりとりが終わった数日後、真鍋が拾った場所の近くの警察署から連絡が京介の元に入った。
財布が落とし物で届いてるので確認して欲しいとの事だった。
京介が取りに行き、事情を説明したのかは分からないが、無事中身はポイントカード(ミスドではない)だけが入って手元に戻ってきた。
それからまた数日たったある日、真鍋から京介に連絡がきた。
「あのさ、今近くの中古屋で、奥さんの家で見かけたゲーム機売ってるの見てるんだよね。買いおきして置こうか?」
「なんで、家のだって分かるんだ?」
「だって、あれ限定版のエディションのやつでしょ?」
「それの製造番号、撮って送ってくれないかな」
「いいよ!」
(パシャ)
映像が京介の携帯に送られてきた。
「あー!確かにこれ、家のだね」
「ちなみにどこの店か、教えてくれるか?今から行ってみるから」
「✕✕町のセカ◯ドストリート」
「分かった。ありがとう」
これで、真鍋が盗んだ事は確定だ。
家にある空のゲームの箱の製造番号と、真鍋から送られてきた写真のゲーム機の製造番号が一致している。
その時は、その電話の録音と、写メを警察署に持って行って証拠になるものだとばかり思ってた。
考えは甘かった。
警察は確かに動いてくれた。
だか、そんな物も売られてないし、人物も来ていない。
確かに、あの後京介と探しに行ってみたが売られては、いなかった。
そしてこう警察に言われた。
「真鍋とは連絡がつきました。確かにこの店に売っていたと言っていましたねぇ。でも私達が調べたら、この店では売られた事実はないとの事だったんですよね」
それはそうだ。真鍋の自作自演だと言ってるのに、何を言ってるのだ。と私は思った。
警察官はまだ続けた。
「仮にですよ、その人が持ってたとしても、誰かからもらったかもしれないですし盗んだという証拠は、どこにもないんですよ」
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