第35話 招かねざる客
(ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン)
「ん?こんな朝早くに誰だろう?」
今日は尚文を午前中に自動車学校に連れて行く日で、朝早くからバタバタしていた。
朝ご飯を尚文と食べ始めていてすぐの時間帯の頃の事だった。ご近所さんかなと思いつつ、気軽な気持ちで、玄関を開けた。
(パチパチパチ)突然のフラッシュに目がくらみ、一瞬何が起きたのかわからなかった。
玄関扉を全開され警察官がなだれ込んできた。1人、2人、3人…ぞろぞろ合計で6人、入ってきて広い玄関はいっきに埋め尽くされた。
「何事ですか?」
私は正座して精一杯落ち着き、警察官に対して言った。
「家宅捜索令状が出てる!探させてもらう!」
「何の為に、何の件で来てるのですか?」
「それは言う義務はない」
「覚えがないので、困ります」
「裁判所からの通知だ!その前に息子を連れてこい」
「えっ?何の為ですか?」
私は尚文が対人恐怖症で、ただでさえ人に囲まれるとパニックになるのに会わせるわけには行かないと思った。
「ここに連れてこないんだな」
といいながら、強引に土足で警官は、あがり始めて、尚文を探し始めた。
「やめてください、家宅捜索はしていいです、でも息子の側に近づかないで下さい」
私は警察官に必死にお願いしていた。それがいけなかったらしい。
公務執行妨害になると言われ地元の警察官を呼ばれてしまった。
地元のパトカーがくると、私は尚文から引き離されて、署に連行されてしまった。
その後のことは京介から聞いた話だが、尚文が京介に電話で助けを呼び、警察官は半日くらいかけて、荷物を開けて家宅捜索をして写真をとりまくっていたらしい。
京介が着いた頃には、子猫たちが、よく脱走してなかったぐらいの勢いで逃げ回っていたという。
尚文も結局家宅捜索に来た警察と一緒に警察署に行くことになって、事情を聞かれる事になっていた。
私とは別々の警察署だ。
警察署に連れて行かれた私は厳重注意と、事情聴取を6時間された。
警察署に行くまでかなりの暴言を吐かれ、早く歩けとか、座れとかまるで犯罪者扱いだった事は今でも忘れない。
知人の弁護士さんから後から聞いた話だが、公妨は、警官の前で手を振って防いでもなると聞いて、最初フラッシュたかれて、眩しくて、目を塞いだ為に腕をあげたのも要因の1つになったのではと言われた。
自宅に来ていた警察官の1人がとんでもない事を言い出した。
途中私に蹴られたとか、押されたとか別の警官に報告しててあやうく罪に問われそうになった。
しかし、どう考えても私の体型や、服装でそこまでの俊敏さがないと思われ、あり得ないと罪に問われなかった。
警察官も嘘をつくことがあるのだとこの時闇を知ってしまい怖くなってしまった。
それと同時に、御上にはぜったい、たてつけないこの世のお決まりがある事を知らされた思いだった。
後日でまかせを言った警察官に、文句を言ってやろうと警察署に訪ねてみると、その警察官は、地方の警察署に移動になったと、聞くことが出来た。
でまかせを言った責任を取らされたのか、たまたま転勤になっただけなのか、不明である。
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