第24話 病院探し
尚文の通院先も、部屋探しと同時に探していた。
いろんな病院や、クリニックに電話を入れて説明した。予約できる所には片っ端から、行ってみることにした。
電話で説明しても、新規患者は受付しないと言われ、断られる事もあった。
せっかく、受入れて貰えても評判のいいところは、3ヶ月待ちだという。
そんな猶予は私にはなかった。
尚文の状態は、さらに落ち着かなくなっていたからだ。
私が車に乗るようになってから、余計に人をさけるようになった。買い物でも人混みに耐えきれなくなり、駐車場の車内で待っている間も、隣に停車した人を極端に怖がるようになっていた。
そのころ、ジモティーというSNSでのサイトを利用して、友達や病気に関しての情報交換をしていた。
ヤフーの知恵袋も利用したりして、どんな病院に行ったらいいか、こういった症状の時は何が有効なのかと、聞いたりもしていた。
地元の人から教えてもらった情報を頼りに、有名な病院を調べて予約した。
しかし、病院によって尚文に対する診断は、まちまちだった。
「ただの睡眠不足ですね。2、3日泊まっていってください」
医師から2泊3日の入院を勧められ、尚文は一人で入院したくない事から、同室に私も泊まる事を許可してもらい、薬は処方されず、ただ退院した。
別の病院では、おねえの先生だった。
ショートのパーマに、少しお化粧して真っ赤な口紅してる明らかに、名前も顔も男性の先生から言われた、
「今、窓から監視してる人がいるっておっしゃったじゃない。それって統合失調症の症状よ」
「それって、薬はどんな感じになりますか」
「注射になるわねぇ」
「副作用はどんな感じですか?」
「心臓に負担がかかって、100人に1人くらい稀に死ぬ事あるかしら」
「じゃあ止めます」
「ふん、そうじゃいいわ、私の所ではここまでしかみれないわ」
そんなカウンセリングが、尚文と先生とのやりとりの内容である。
一言や、二言で病名を決めつけられたのも気になる所はあったが、なんとも見た目の感じも信用できないが原因のひとつだった。
また、別のクリニックでは胃薬の作用のある精神安定剤を半年処方されていた。
が、自立支援制度が該当するのか分からず、毎回毎週高額な医療費に頭を悩ませていた。
また、ここが良かったと言う話を聞けば、すかさず、予約をとり面談に言ってみたが、なかなか有名な所は、待ち時間が2〜3時間と長く、人混みが苦手な尚文が待つのは、かなりストレスがかかっているようだった。
それでいて、せっかく順番が来て問診しても、医師との相性の問題の壁があった。
咳をする人が苦手な尚文だったが、その先生が、いきなり咳する人で、終始咳をやめることなく、苦手だと説明しても「そうですか」とまた咳をする始末。
そうなると、そこの病院はもう無しになる。
他にも総合病院に予約をしていたのに、当日予約が取れていなかったりといった事があった。
まったく効果が出なく、そのうち本人も病院通いや、薬の服用にもうんざりし始めていた。
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