八日目
「ふっふっふっ……。今日こそ、イケるのです。
なぜなら私は
すると茉莉は台所に行って必要なモノをバックに入れると、まだ朝食を食べている両親に、元気良く
「あ、それじゃあ私は、もう学校に行くから! 行ってきまーす!」
そして
「これで、イケるはずなのです! いや、これでイケるという自信が私にはあるのです!」
しかしちょっと、
「でもちょっと、バックが重いのです。でも、
学校に行くとその日の一時間目の授業は、数学だった。
教室には
//SE黒板にチョークで書く音『カッカッカッ』
それと生徒がノートに書く、小さな音も響いた。
//SEノートにシャーペンで書く音『カリカリカリ』
茉莉はやはり
「うん。きっとこの音は、『君』の心を
そして茉莉の前の席に座っている男子生徒の
茉莉は
「ねえ、『君』とは同じクラスになって一カ月も
すると男子生徒は、少しあきれた表情になった。
茉莉はそれは当然だろうという、
「うんうん。当然、そうなるのです。でも、ちょっと
すると茉莉はバックから、カセットコンロと水が入った
そして
「ちょっと、この音を聞いて欲しいのです」
茉莉は水が入った鍋に白菜を入れると、カセットコンロの火を付けた。少しすると静かな教室に、白菜が鍋で
//SE白菜が鍋で煮える音『グツグツグツグツグツグツグツグツグツグツ』
そしてやはり茉莉は、
「ねえ、どう? リラックスして安心した気持ちになって、私とお話しをしたくなったんじゃない?」
しかし男子生徒は、前を向いてしまった。
茉莉は、納得いかないという口調でつぶやいた。
「あれー? おかしいのです。白菜が鍋で煮える音を聞くと、私は癒されるのです。だから『君』も、癒されるはずなのです……」
茉莉が首をかしげていると、数学の教師が茉莉の机の横に立っていた。
茉莉は、どうしたんだろうという、不思議そうな口調で聞いてみた。
「あれ? どうしたんですか、先生。そんなに
すると茉莉は、やれやれという口調で説明した。
「何だ、そんなことですか。それくらい私にも分かりますよ。でもこれには、海より深い
茉莉の説明の
茉莉は、
「ちょ、先生、分かりましたよ~。職員室に行って、説教されますよ~。あ~れ~」
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