第18話 みんなの元へ…

~ 遼輔 side ~



「あれ…?今…大雉さんの車…」



すれ違う俺と大雉さんの車。




「…もしかして…藍璃ちゃんの所?」




×××××××××××××××××××



「ねえ…光平。光平は…みんなの事…大好きだった?みんな良い人達だよね…朋矢君も昌哉君も…遼輔さんも大雉さんも…蓮花ちゃんや晴南さん…大雉さんの彼女・魅南さん…光平も…魅南さん知ってるんだよね…きっと良い人だったんだろうな…」



「……………」



「本当…色々とありすぎて…全然気付かなかったんだろうな…私…大雉さんの事…好きになってたのかな…?」






その時だ。




♪♪♪~……


【今、何してる?】

【今、一人の女性の家の前に来ているんだ】




「…遼輔さん…?」


メールが入ってきた。





♪♪~……


【さっきの電話口の人の所でしょう?】

【そんな報告はいらないですよ】

【それじゃ】




♪♪♪~……


【誤解してるよ】

【ところで君の元に一人の異性が来なかった?】




♪♪~……


【一人の異性?あー、大雉さんなら、さっき来ました】

【遼輔さんに住所聞いたとかで】

【あっ!それじゃ私は忙がしいので】



すると着信が入る。



ビクッ


私は驚くと同時に携帯を落としそうになり心臓がバクつく中、電話に出る。



「も、もしもし!遼輔さん!?一体、何なんですかぁっ!?」

「そう、怒らない。ねえ、窓開けて見て」

「えっ?窓…ですか…?」



私は窓を開ける事にした。




「何ですか?窓開けましたよ」

「藍璃ちゃん!」



ビクッ


下から声がし視線を下に移す。



「…えっ…!?遼輔さんっ!?な、何で?ど、どうしているんですかぁっ!?」


「えっ?どうして?って…君に呼び出されたから。都合が良ければ連絡下さいって。俺、すぐに電話掛けたでしょう?つまり都合が良いって事だったんだけど…」


「…それは…でも…さっき…女の人…」


「友達だよ。友達のお姉さんなんだけど時々、手伝いで呼ばれて行ってたから。それで?呼び出した理由は何かな?」


「…あがって下さい。今から、下に行きます」




私は下に降り、遼輔さんを家にあげる。




「実は今日…光平の所に行ったんです」

「うん」

「それで…写真が…あって…」

「写真?」

「サーフィン仲間と撮った写真」


私は写真を何枚か見せる。



「あっ!本当だ!懐かしい…高校の時位かな?数年前だけど…懐かしく感じるな~」


「光平は…沢山の仲間に囲まれてて幸せだったんだろうな…」


「幸せだったと思うよ。ねえ藍璃ちゃん。他にも写真なかった?」


「えっ?他ですか?」




「うん」

「あったと思いますよ」


「そうか。俺も持ってるけど…案外、お気に入りだったのかな…?」


「えっ?」



「3人で撮った写真があるはずなんだけど…」

「3人?」

「大会に行く前に…光ちゃんと…俺と…大雉さん…」





ドキッ


大雉さんの名前を聞いて胸が大きく跳ねる。




「えっ…?…大雉さん…?」




嘘…


どういう事?


つまり…最初から知ってたの?


それとも…途中から?


じゃあ…さっき言い掛けてたのは…





「藍璃ちゃん。それで写真だけの為に呼び出したわけじゃないんでしょう?」


「あ、うん…みんなの所に…戻ろうかな?って…今度は私がみんなの仲間になりたいから」


「…もう…仲間だよ」

「…えっ?」

「藍璃ちゃんは、みんなの仲間」

「…遼輔さん…」



「初めて会ったあの日から俺達の仲間…朋矢と昌哉が君を助けてくれた瞬間…俺達の出会いは始まりにすぎなかった。でも…もしかすると…光ちゃんが引き合わせてくれたのかもしれないよ?」


「…遼輔さん…」




私はみんなの所に戻る事にした。






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