第16話 写真の中のmemories


あれから私は自問自答しながら


大雉さんとの事を思い出す。




「…あなたは…光平の…」

「…はい…すみません…色々と…」



お義母さんは私が言い終える前に私を抱きしめた。



「お義母さん…?」

「良かった…本当…良かった…」



抱きしめた体を離すお義母さん。



「凄く心配してたのよ…さあ、あがって」

「…はい…お邪魔します」






私達は色々話をしていた。




「あっ!藍璃ちゃん良かったら、あの子の遺留品持って行かない?全部とは言わないから。あの子もきっと喜ぶわ。無いなら無いで良いし。遅くなるようなら泊まっても構わないから」


「はい。分かりました。ありがとうございます」




私は光平の部屋に行く。




「…光平の部屋…全然変わってない」




私は色々と目を通す。



すると、ある物に目が止まる。




【サーフィン仲間と】




「…サーフィン…」




私は高校に入る前、友達の付き添いで何度か海に行った事がある。


この時は、まだ光平と出会ってなくて仲良くしていた友達もいた。



高校に入学して私は仲良くしていた友達と離れてしまい慣れない高校に、一人入学。


一時期は友達と、ほぼ毎日連絡取り合って毎日のように海へと足を運び、そこで出会ったのが光平だった。



「君、毎日良く来てるよね?」

「あ、はい…友達の付き添いですけど…」

「そうなんだ」



それから仲良くなってから、同じ学校だった事で更に仲良くなって私は光平の事を気になり始めた頃、私の人生は狂い始めた。


光平は、結構モテていたからファンが多かった事が分かったのだ。



それから周囲の私への扱いがガラリと変わり人生は狂い始めた。


私は周囲から色々な仕打ちに遭う中、光平は私に告白してきた。



嬉しい半面、複雑でゆっくり付き合う事にしたものの人を信じられなくなっていた私。


周囲からの仕打ちは相変わらずでエスカレートしているのもあったりして──────



今ここに、こうしているのは両親や光平の、お陰だ。





「…みんな…写ってる…」




写真に残されている真実


たった1枚の写真の中に


私の知ってる人達がいた


その仲間達と撮った写真




「…光平…幸せだったね…みんなに囲まれて」




そして全てに目を通し帰る事にした。




「お邪魔しました」

「あら?帰るの?もっとゆっくりしていけば良いのに」


「ありがとうございます。どうしても今日のうちに終わらせたい事があるので」


「そう?」

「はい。…お義母さん」

「ん?何?」


「光平君と付き合えて本当に幸せでした。私…光平の分も幸せになります」


「…藍璃ちゃん…」


「それから…光平君は本当に幸せでしたね。沢山の仲間に囲まれて」


「仲間?」


「はい。サーフィンの仲間です」


「あー、あの子サーフィンしていたからね…本当楽しそうに話していたわ。藍璃ちゃんを連れて行く時なんか、もっと嬉しそうに話してたわ」


「…えっ…?…そう…だったんですね…」


「本当、藍璃ちゃんの事、心から大好きだったのね。また、いつでも気軽に来てね」


「はい!ありがとうございます」




私は帰る事にした。













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