第7話
「まずは……本当に姉が迷惑をおかけして誠に申し訳ございません!!」
ユッキーが頭を下げる。私はユッキーの顔をあげさせて
「悪いのはお姉ちゃんのほうなんだからあなたは謝らないで」
と言う。ユッキーは眉を八の字にしてこちらを心配そうに見る。
「だから姉に制裁を入れるためにも俺も力になるから!」
ユッキーはそう決意していた。私たちは
「ぜひ協力をお願いしたい!」
「ユッキー力になるぜ」
「これからが本番だね」
ユッキーが仲間になって俺たちの力はまたパワーアップした。
「じゃあいまのところわかってることを整理しよう」
智洋がホワイトボードを出しそこにいままでにわかってる証拠や関係などを書き出した。そして旦那と逢見さんの動画は家にある隠しカメラで撮ることにしたので私は遠隔操作してカメラを起動した。
「まずは、2人が不倫していることは確実。それを知っているのは俺たち。それと俺の同僚もそうだ。」
「でもなんで照史なんだろう?」
「ユッキーなにかわかる?」
「凛子は蓮実に高校卒業後駅で階段から突き飛ばされたからって言ってた。」
「え?私、逢見さんと卒業した後会ってないよ?」
「それで正しいんだ。さっき言ったのは凛子の口実で蓮実が自分の居場所を奪ったという本当の意味で蓮実が1番大切なもの……照史に目をつけたっていう話。ちなみに階段から突き落とした……というか勝手に落ちただけなんだけど、実際動画を編集してわざと蓮実が落としてるような動画を作っていたんだ。」
ユッキーはその動画を見せる。それは確実に私が落としてるように見えた。でもなぜいまになってそれを作るのか検討もつかない。
「馬鹿だよ。凛子は。いまさらこんな動画作っても自分で撮ったって言っても角度的に無理がある。でもそれを信じたのは……」
「当時から逢見さんと体の関係を持っていた男たちだ。」
智洋はパソコンをカタカタと動かすと約10名の男の人のリストが出た。
「あ!この人私に襲いかかってきた人達だ!」
私は大学に通う前この人たちに襲われたことがある。
「あのときは全部回し蹴りと首の骨をいじって警察に突き出したけど、まさか逢見さんが関わっていたなんて……」
「ん?ちょっとまって、蓮実全員1人で倒したの!?」
と沙耶香は驚く。
「うん?もちろん!あ!あとうるさかったから鼻にわさび入れてやっと泣き止んでた!」
「いや、そういうことじゃないんだって……」
智洋はハァと息をつく。私の頭に?が浮かぶ。
「というか智洋の仕事ってなに!?」
毎回思う。このような情報を持ち出せる仕事って……
「ん?ただのハッカーだよ?普段はふつーのサラリーマン!」
ただのって……怖すぎる。私は冷や汗を少しかいた。
「いまだに蓮実のことを痛めつけようと思ってるらしいんだ。」
ユッキーが真剣に悩みこむ。すると撮っていたビデオに音が鳴り
「はやく離婚してここあと結婚してぇ?」
「もちろんだよ。今日は奥さんが泊まりに行ってるからその後に言うよ。」
「じゃあ今日はたくさん一緒にいられるね!」
「嬉しいこと言うな〜!」
「きゃあ〜!えっち〜!」
ハァと息を出す。この下等生物が……すると私は異変に気づく。
「ん?逢見さんのポケットに私のアクセサリーが入ってる。あれ……前に無くしたやつだ!!」
「もしかして凛子の私物……!」
ユッキーがスマホを早急につけて動かす。すると
「見て!これ!」
「嘘でしょ……!?」
そこには逢見さんのフリマのページに私の私物が高価格で売られていた。
「これはこれは……請求できるお金が増えてきたねぇ……」
「蓮実。裁判のときは俺が弁護士として立つからよろしくな」
ユッキーがそう手を差し出し、私たちは握手を交わした。
「絶対に負けない……いや負けたらダメ」
愛する人を奪い、私の大事な物を奪った逢見さんはこれが狙いだろうけど、私に関わっただけ地獄に落ちてもらわないとね。
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