第6話
「じゃあいってくるね」
「俺もだよ」
夫婦2人で同時に家を出るのは私が教員として出勤する以来だ。今日は旦那に嘘をついて沙耶香の家に女子会を1泊2日すると言った。もちろん照史は承諾した。私は昨日のカメラがバレないように確認すると照史に荒らされた気配はない。人間は恋をすると身に集中できないというがまさかここまでになるとは。
「久々だよな。2人で出るの。」
「そうね。なんだか嬉しい」
「あはは!俺も!若い時に戻ったみたいで」
「じゃあ気をつけてね!」
「うん!また明日!」
私たちはそれぞれ違うところに足を運んでいく。私は沙耶香の家へ。照史は会社に。
「お邪魔します!」
「よく来たね!さっそく荷物を置いてから作戦開始だ!」
「沙耶香……あいつやる気だな……」
「智洋もありがとう」
「お、俺は別に……」
「はいはい、そこイチャつかないよー!」
私たちは沙耶香に服や髪などいじられ30分後
「全然私じゃないみたい……それにこの制服懐かしいね」
「ほんと、なんでとってあるんだよ」
「さっすが2人とも!じゃあいくよ!」
「「「いこーぜ!」」」
3人で円陣を組み、私は行動観察係、智洋はカメラ確認と撮影係、沙耶香は追跡係。沙耶香は昔から美術が得意で顔のマスクを作れるほどだ。
(沙耶香が敵じゃなくてよかった……)
「どう!?似合うでしょ!?」
沙耶香の面影は完全になく、私たちに移る顔は
「美男……!!」
私は旦那以来にときめいてしまった。そして智洋が咳払いをしてから本軸に戻った。
「照史こっちに行くと思う!」
私は旦那の行動について分析して予測するとそれが驚くほど当たった。今日は会社での内勤。いつもの話から朝はいつもどおり会社で仕事をこなして、昼はいつもお世話になっている食堂へ、ここまではいつもと変わらない。しかし
「あっくん〜!」
「お!こっちゃん!」
食堂から出てきた旦那の元へ逢見さんが。すると私の後ろにいた智洋が
「逢見の今のことがわかった。名前は偽名で
そういうことなら納得だ。たしかに今の逢見さんを見ると昔の面影がまったくと言ってない。癖が唯一の面影くらい。
「ここからのデータによると他にも複数の男に会ってるらしくて、幸いなことに他の男と会っても名前は渋沢のままにしてるから、その男たちにも協力してもらおう。」
「え?だってその人たちって逢見さんのこと好きだから私たちには協力できないんじゃ……」
と私は言った。たしかに協力はしてほしいけど、そんな簡単に……
「大丈夫。実は俺知ってるんだ。それと逢見に復讐したいんだ。」
「復讐?」
まさか智洋も逢見さんに恨みがあるとは。
「俺の同僚も騙されて社内はめちゃくちゃになって、それに蓮実も傷つけてる。それに俺は許せない。」
と握りこぶしをギュッと力強くする智洋に私は智洋の手に手を添えて
「智洋……いつもありがとう」
「おう。俺は蓮実のためならなんでもやる」
2人で頷くと沙耶香からマイクから伝達が
「あの2人蓮実の家に行ってる!!」
沙耶香の声を聞き、私たちは1回3人で集まり車で追いかける。
「3人で行くと怪しまれるからあるスペシャルゲストを呼んだよ!」
沙耶香が車を停め、スペシャルゲストを招き入れる。
「お久しぶりです、みなさん」
「久しぶりだな!……
スペシャルゲストは逢見さんの双子の弟のユッキーだった。
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