第5話

「会社の横領か……可能性はそこにあるな」

智洋は冷静に考え頷く。そこに

「お待たせ!結果が出たよ!」

沙耶香が飛び込んできた。すると書類を私に渡し

「蓮実が提出してくれたものは旦那さんとその不倫相手の女の人のもので間違いなかった!それでその人が……」

私は書類に目を通す。そこで私は目を見開いたのはその不倫相手の女性の名前

逢見 凛子おうみ りんこ……!」

その人はかつて私の高校のときの同級生だった。クラスの中でもトップな陽キャで、彼氏をよく取っかえ引っ変えしていた。頭も良く、容姿も良かったので男子にはモテていた。しかし私がなんでもできるからそれに嫉妬して私をいじめようとしたり、悪口を言って仲違いさせようとしていたらしい。(智洋と沙耶香が言うには)

だけど2人と私の友達がその噂やいじめから守ってくれて今の自分がいる。辛かったけどあれより辛いことはないし、逆に経験しておいて良かったって思ってる。だけどなぜ今になって……?そう思っているとまた声がしてそちらを向く。

「もぉ〜照史くんったらぁ、我儘だなぁ」

「もう1回お願い!」

「きゃあ!もう!しょうがないなぁ」

今すぐにでも殴り込んで始末したいとこだけどお金や離婚の成立にも我慢する。頭の中で2人を殺し話しを戻そうとすると

「蓮実……目が笑ってない……!」

「蓮実……いつもの癖出てるぞ……ムカついたら脳内で殺すやつ」

「あはは!ごめん、ごめん」

沙耶香が持ってきてくれた水を飲み心を落ち着かせる。

「多分狙いは蓮実を苦しめることだと思うよ。あの女。でも今になってなんで……?ようやく見つけたとか?」

沙耶香もやっぱり疑問に思ってるみたい。

「たしかに俺でも分からねぇなぁ。過去を振り返って見るとするか」

私も全力で思い出そうとする。近くにあった紙に原因らしきものを書く。

「気に食わない、私を苦しめたい、とかかな……?昔……いじめ、自分より上にいる人が気に食わない、」

書き出してみるけど原因らしきものが目に見えない。

「俺と蓮実、沙耶香、逢見、照史は同じ学校。それにクラスは全員一緒。逢見さんは蓮実をいじめた以外に特に問題は起こしていない。照史との接点もない。ん……?待てよ。照史は高校のとき逢見のことを知っているはずで、逢見に近づいたこともなかった。」

だんだん見えてくる状況に私と沙耶香は何かに気づいた。

「ねぇ!もしかしてだけど照史くんと逢見さんが行為してるときなんて呼んでた?」

沙耶香の疑問に私もそう思った。すると音がしてパソコンを見る。よくみると昔の逢見さんの面影がなく、整形でもしたのか?と思う。

「奥さんにバレないようにねあっくん。」

「もちろんだよ。……いやこっちゃん」

「偽名だったのか……!」

私は納得した。そこで沙耶香と智洋に

「お願い。逢見さんの仕事柄と1日の動きを偵察するの一緒にやってくれない?」

「もちろん」

「私もやるよ!」

私たちはまた新たな旅に足を踏み入れた。

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