第3話

「あれ?はやかったね!ただいま!」

「おかえり〜!蓮実手洗っておいでー!ご飯できるから」

今日はたまたま旦那のほうがはやく、夜ご飯を作ってくれていた。だけどね、あなた気づいていないかもだけど、あなたのTシャツの後ろに茶髪のながーい髪がついているのよ。パシャっとカメラで旦那の背中を撮る。すると不思議そうに旦那は振り向く。そして私は

「照史の背中って頼もしいから撮っちゃった!」

と嘘をつく。すると旦那は笑って

「昔俺の背中の写真よく撮ってたよな」

と言った。そして私は背中の髪の毛をわざと取り

「あれ?髪の毛ついてる。捨てとくね!」

とわざとキッチンの遠くのゴミ箱に捨てずに風呂場のほうにいき袋にこっそり髪の毛を入れた。ちなみに沙耶香は科捜研なのでこれを提出しようと私は考えていた。あとは風呂場のゴミ箱をあさる。するとそこには

「あの人は馬鹿なのかな……?」

コンドームがあった。つーか予想当たりすぎだし、隠すの下手。それと……

「うん、ばっちり撮れてる。」

実はゴミ箱の下に隠しボイスレコーダーを設置していた。

私は全て回収し、お風呂に入る。

「私はできないからな……」

実は私は性欲がまったくない。拒否し続けた結果がこれか……。照史のことは好きだけどそういう夜の営みはできない。実はこれにも理由があって、私は病気で子宮を取り除いたからである。それも了承での結婚だったのにな……。こんなに冷静でいられている私自身に私はドン引きしている。お風呂からでるとそこには照史がご飯を作っていて待っていた。世間ではこんな人が不倫をするだなんて思わないだろう。

「今日はね、幼なじみと久々に会ってお茶会したんだ!照史の会社の仲のいい駅の近くのカフェのところでジャンボパフェ食べたの!」

「うわ〜!それ俺が行きたかったやつ!今度行こう!」

「うん!」

「俺は今日オフだったからゆっくりさせてもらった。俺も行きたかったけど仕事残っててさ……本当にごめん!」

「しょうがないよ。私のために頑張ってくれてるんだから。いつもありがとう」

私は今日も嘘をつく。今度は映像を撮ろう。

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