第14話ダイハード

 その頃高橋直美は恋の花が満開だった。

咲き乱れていた。

「もう寂しくは無い!亮一さんが居るから。」両手に直美の乙女の花束を持ち澄んだ瞳はキラキラと煌めいていた。

 いつまで私の事を待たせるの?

いつまでも有ると思うなよ金と恋人!

「もう別れます!待たせ過ぎよ・・・。」決意をした女はゴジラよりも強く死なない。ダイハードだった。

 直美は目の前のメガネを掛けた亮一を選んだ。

 彼は離婚予定。一緒に居ると落ち着く。

 一人にさせない、季節の行事には直美を誘う。

 彼は何時も新しい。抱かれる度に体温を共有させてくれる。

 今までは返って来ないメールを打っては自分で言い聞かせ納得していた。

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