手紙
「貴方が退院してから、私はあまり状態がよくありません。
とても思い悩みましたが、やっぱり本当のことを伝えたくて、この手紙を書きます。
私は友子さんとの「恋人」の日々を通して、本当の恋愛とは何なのだろうと考えていました。
私たちは恋人の真似事をしているだけで、始まり方は私が憧れていたものとは違いました。
でも貴方の私への愛の言葉はいつも真に迫っていて、私はその熱を感じるようになりました。
貴方がサナトリウムを出るとき、私はどうしようもなく寂しくなって、それが本当の恋なのだと気が付いたのです。
『これで友子さんも本当の恋愛ができるね』と言いました。
私はあのように言ったことをとても後悔しています。
出ていく貴方を縛りつけたくなくて、あのように言ってしまいました。
本当の恋を知ることができたあの日々は、私の宝物です。
そして今はあなたにずっと恋焦がれています。」
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