第1話 こんにちは異世界!12
なぜ俺がこんなにも『美女』が苦手かというと、現世時代に理由がある。
俺には二つ年が離れた姉がいる。俺は家族目線で見て、そうでも無いと思っていたのだが、どうやら世間的に見れば姉は『美女』の部類に入るらしい。
俺が十七歳の高校生で、姉が十九歳の大学生。俺はともかく、姉も大学が家から近い為二人とも実家暮らしだ。
まぁ、美女嫌いの大きな原因としてこの『姉』の存在が凄まじく大きい。
外面がもう凄まじく聖人みたいに良く、家では・・・というか弟の俺限定で性格が最悪なのだ。
その外と中の豹変っぷりを見ては、背中に悪寒を走らせていたものだ。
多分、二重人格なんじゃないかな。
姉あるあるなのかパシリ、暴力など日常茶飯事。小さい頃はよくプロレス技を掛けられていた。
最悪なのが、高校一年生の時友達から借りたエロ本を燃やされた。
高校生なんてエロ本に興味を持つなんて当たり前じゃん?当時、もちろんスマートフォンは持っていた。スマホでエロ漫画を見ている連中もいた。
でも俺は違う。エロ本は紙媒体で読むことに意味があると・・・。
しかし、それが裏目に出た。
自室にある、勉強机の引き出しの奥に隠していたエロ本をなぜか、姉が見つけたのだ。
この際、どうやって見つけたかは知らん。
見つけた途端、そのまま俺の部屋で燃やしやがった。
その後、ボヤになり両親からはこっぴどく叱られた。あと、友達からも怒られた。どうやら秘蔵のエロ本だったらしい。いや、俺も燃えちゃうところだったんだけど。俺よりエロ本を心配する友達とは絶縁状態だ。
そんなこんなで『綺麗な花には棘がある』じゃないが、姉の二面性なんてものを間近で見ていたものだから本能的に避けている。
普通がいいのよ普通が。
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