第1話 こんにちは異世界!11

 そう言えば俺のステータスはどうなってるんだろ?あと、あの神からの『贈り物』とやらが気になる。


「『オープン』」


 ・・・。あれ?


「『オープン』・・・。『オープン』!」


 俺のステータスが出ない。なぜなんだい?


「なにやってるんだメグル。簡易魔法と言えども魔力を使わないと使えないぞ」

「あっ・・・、そうなのか。で、魔力ってどうやって使うんだ?」


 異世界と言えば剣と魔法の世界なのに、剣はともかく魔法も使えないのは少しテンションが下がるな。

 しかし、魔力の使い方なんて知らない。あれって自然に使えるもんじゃないの?


「メグルもしかして・・・魔力の使い方知らないのか?」


 心配そうにドラ子が顔を覗きこんでくる。

 そんな目で俺を見ないで。


「だ、大丈夫だ!そうだ!メグルは転生して間もないし、魔力の使い方を知らなくて当たり前なのだ!」


 めちゃくちゃフォローしてくれてる。辛い。


「あぁそうだ!メグル、ふふん!私が魔力の使い方を教えてやろう!」

「なに・・・?ドラ子が教えてくれるのか?」

「あぁ!!こう見えて私は物を教えるのが上手いと評判でな」


 誰からの評判はともかく、これはありがたい。

 さすがドラゴン。さすがドラゴンなのか?あんまり関係ないかもしれんが。


「ふむ、魔力も魔法と同様だな。見た方が早い。いや、魔力は触れた方が早いな」

「魔力は触れることも可能なのか?」

「可能だ。というか、今も触れてはいるぞ」

「どういうことだ?」

「まず一つ、魔力はこの大気中に存在している」

「なるほどな。さっき言ってた野良ダンジョンもそれで生成されていると」

「左様。もう一つは、自身の体内で魔力は作られる。これはこの世界において、おおよその生物が自身で魔力を作り出しているのだ。時間はかかるがな」


 ということは俺も転生した時に魔力を作成できるようになってるのかな?


「大気中の魔力を取り込むことで自然的に魔力を回復することもできる。体外的な回復としては自然回復か、マジックアイテムで回復することも可能だ。例外もいるが」


 ほーう、なんか色々方法があるらしい。

 本格的にRPGっぽいな。


「でも俺は今、大気中の魔力も見えないし感じることもできないのだが」

「大気中の魔力は目では見えないのだが、感じることもできないのか?」

「う~ん、なんかよくわからん」


 実際によくわからん。感じるって言っても草原に吹く風くらいしかわからん。


「それならば、実際に魔力を感じ取れば感覚が芽生えるかもしれんな」

「どうやって感じ取ればいいんだ?」

「私が今から全身に魔力を流す。それを触れてみてほしいのだ」

「触れるたって、手でも握ればいいのか?」


 あんまり触れたくないけど、この際仕方があるまい。


「いや、心臓付近がいいな。一番感じ取れるはずだ」


 は?

 いや、心臓って。

 このばるんばるんに触れないといけないの?

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