プロローグ ~突然の死!4~
「そう。資格とは、完全には死んでおらん魂を転生することが出来る資格のことじゃ」
「転生・・・?なに、生き返れるの?」
「条件付きじゃがの」
「条件?」
「なに、そんな難しい条件じゃないわい」
自慢?の髭を触りながら言い放った。
「ふむ。条件とは、お主が元いた世界には復活できん」
「マジか・・・?」
「マジじゃよ。その代わりに、別世界。つまり異世界に転生してもらう」
「マジかよ・・・」
まさかの異世界へ転生だった。
漫画やアニメで見たことあるやつだ。
「その世界には『ダンジョン』なるものがある。そのダンジョンにある秘宝には噂があってな。なんでも、全ての願いが叶うそうじゃ。もしかしたら、元いた世界へ帰ることも可能かもしれんのぅ」
秘宝だと?それさえあれば現世に帰ってくることもできるのか!死んでショックだったが俄然やる気が出てきた。
七つのボールでも、黄金の聖杯でもなんでもゲットしてやるぜ。
「しかしまぁ、なんじゃ。ダンジョンだから魔物もトラップもいっぱいじゃ。もし、異世界で死んでしもうたらお主は魂までも死ぬ。故に、転生も復活もできん」
「マジかーー・・・」
俄然やる気をなくした。教会とかで生き返るのは無理だそうだ。
「そもそも一度死んでるのじゃから贅沢言うでないわい」
もっともの正論だった。
「して、そのまま異世界に転生したところでサクッと死んでしまうだろうな」
「サクッと死ぬといか言うな」
「じゃから、ワシから一つ贈り物をやろう」
どうやら贈り物をくれるらしい。
漫画やアニメだと、すごい能力とか武器とかかな。
というか、それだったら自分で決めさせてほしい。そういうお約束じゃないの?
「まぁ、向こうについてからのお楽しみじゃ!」
「いや、そこは言ってもらわないと困るんだが」
「さて!時間じゃ!転生の準備は良いかな?」
完全に無視されてる。全然準備できてない。
「待て待て!!なに?なにくれたの!?」
「さぁ人の子よ!行って参れ!!」
「人の話聞いて!」
ダメだ。
もう下半身からサラサラと光の粒子になってる。転生しかかってる!
「最後に一つだけ!」
「なんじゃうるさいのぅ」
うるさいって言ったよこの神。
「神様、なんで俺は転生できるんだ!?」
「なんか『そんなことなる?』って死に方じゃったし・・・可哀そうじゃったから」
転生の理由がまさかの哀れみだった。
その声を最後に、俺は完全に光りに包まれ異世界へと旅立った。
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