危険

 堤防沿いにある工場の跡地に朽ち果ててむき出しになった円筒形のタンクがある。

土地の入り口には、何年も前からさび付いたバリケードが置かれていたが、それにかまわず中へと入って騒ぐ若者が後を絶たず、バリケードの横の壁に『キケン』と書いた後から、その数はさらに増えた。

 今日もまた、一組の男女が工場を訪れた。

二人は付近を光で照らして、騒がしくはしゃぎながら工場の中を進み、タンクのそばへとやってきた後、他の連中と同じようにその中へと入ってきた。


 仕掛けの糸が足へと絡まり、二人の男女は宙へと跳んだ。ワタシの姿に慄く二人は天井の糸に貼りついた。


 

 


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