漢字を〇〇で攻略せよ‼
西しまこ
1.漢字をダジャレで攻略せよ‼
(1)文字の神様はご先祖様⁉
第1話
学校からの帰り道、おれはゆうつな気持ちで歩いていた。
「タチバナ、どうしたんだよ。なんか暗いぞ」
「ジュン」
おれの後ろから親友の
「でも、ジュンは勉強できるからなあ」
「算数はタチバナに負けるよ」
「算数じゃなくて、国語だよ。国語というか、漢字」
「タチバナ、漢字、苦手だよなあ」
「そうなんだよ……」
おれは漢字テストのことを思い出して、ゆうつになった。
「ああ、ほんとうにゆうつだ」
「……タチバナ、それ、ゆううつだよ。
「そもそもおれ、『うれい』って漢字がわかんないんだけど」
「まあ、まだ習ってないからね」
「ジュンはなんで知ってるの?」
「百人一首でさ、『
「おれ、それ、動物の牛だと思っていたよ。『牛とみしよぞ今は恋しき』」
「え? じゃあ、和歌の意味、わかんなくない?」
「百人一首に意味なんてあるの?」
「あるよ」
「……知らなかった。呪文みたいに覚えてた」
「よくそれで覚えられたね」
「うん、まあそこそこね。かるたとりが出来ればいいんだし。……それより、漢字だよ。おれ、漢字、ぜんぜんわかんね」
そもそも漢字が苦手だったのに、五年生になったら習う漢字が急に難しくなったように感じた。画数も多いし意味もよくわからないし、ぜんぜん覚えられない。しかも書くのが苦手だ。
「書いて覚えたら? 宿題にも出ているでしょ? ボクは宿題で漢字を書くと覚えられるよ。宿題の漢字がそのままテストに出るからテスト勉強にもなるし。たくさん書くといいよ!」
「それで出来るなら苦労しないよ……」
おれはおおきくため息をついた。
「まずは、宿題を出しなよ!」
「うん……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます