第28話 海賊貴族の実力2
仕事が一段落したので、早速アズールの元へ行ってみることにした。
アズールはいつも海軍の練習を港の奥、商人たちがあまり使わないところで行っている。
護衛の騎士を連れて歩いているとだんだん喧騒とした声が聞こえ始めた。
「クソ虫が!お前らはなんでここにいる。故郷を守るためだろうが!」
なんか聞きたくも無い言葉が聞こえてきた。
同行している騎士たちも豆鉄砲を食らったような顔をしている。
「あー、すまん。アズール様子を見に来たんだが。」
「これはお頭。ようこそおいでなすって。」
相変わらず言葉遣いは直さないが使えると決めてからは、騎士らしいキッチリとした振る舞いをとり、無精髭もそってしっかりし始めた。
これだけ見るならばさっきの言葉を発するような男には見えないのだが言動が残念だ。
「お頭、ちょうど良かったですぜ。今から船に乗って演習を行う予定だったんでさ。ぜひ見てってくだせえ。」
「ああ、ぜひ見させてもらおう。」
まぁこんなんだが、普段からの報告ではしっかりと練兵を行っているようだし大丈夫だとは信じている。
そう思いながらこの短期間でどれくらいの実力になったのか、期待しながら見ることにした。
「よしっ。野郎ども!とっとと船に乗れ。お頭を待たせるきか!」
アズールがそういとすぐ様海軍たちは「オウ!」と返事をすると、誰にも言われずに二手に分かれて移動を開始した。
動きを見るに一挙動事にしっかりと全体が同じ動きをしており洗練されていた。
海軍のものたちは、元々騎士団にいたはずなのにその時以上の動きを見せ始めた。
「凄いではないか!この短期間でこんな動きができるなんて!」
「いやぁ、お頭。こいつらの成果はこれからですぜ。ささっ、船の上へ。」
そう言われ船に乗ると始めると、海軍たちは戦闘の態勢を取り始めていた。
「掛かれ〜!」
アズールがその一言を発すると、一斉に動き始めた。
――行け〜!
――囲め!
喧騒があたりを包みまるで本当に戦をしているが如くの戦いだ。
「どうですかい、この短期間でよくできているでしょう?」
「本当だ。よくこの短期間でこんなにもできるものだ。なにか秘策でもあったのか?」
「いいや、お頭。それは秘密ですぜ。」
そうか秘密か、
そう思いアズールにそのことを聞くのはとりあえずはやめた。
しかし海軍たちは二人一組でペアを組み戦っている。
普段は一人で戦うはずの騎士がペアを組んで戦うなんで想像もしてなかった。
一人になっている兵を一人またひとりとどんどんのしている。
こんなこと今までにない成果だ。
「お頭、これならばこいつらを海に出しても一先ずは大丈夫でしょう。あとは新しく届く船の操船と大砲を覚えるくらいですぜ。」
「そうか……。よしっ、アズール。今回の働きにより褒美をだそう!」
「本当ですかい!?」
褒美をだすというと瞬く間にアズールの目の色が変わり褒美に期待し始めた。
「そうだ。褒美は――――、」
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