海を求める
第23話 海への進出1
――1ヶ月後
萬葉歴761年 4月
何事もなく時が過ぎ暇が出来れば建設現場に出向いて作業をしたりなどしていた。
気づけばガスコの他にも気軽に話せる仲になったヤツらができた。
その他にも関の廃止の効果がではじめている。
まずは関を廃止したことにより、領内に流通する小麦や布等の品が安くなり民が賦役をした後の賃金を使い買っていくので、関の廃止、ものが売れると言う噂が広がり、商人がよくくるようになった。
それと共に税収も先月より増えた。
細かく言うと、先月が白金貨約60枚ほどだったが今月は80枚を超える見込みだ。
さらに倉庫の公営化による利益が白金貨約120枚だ。
これは先程の通り、商人が動きやすい領にしたことにより他国からの商人も増えたためさらに利益は増える予定だ。
だがここにきて問題がでてきた。
「もう一回言ってくれ。」
「ハッ!海上にて海賊が出没している模様。商人たちから征伐の陳情が。」
「はぁ……。報告ご苦労、エリナーゼとアルバを呼んできてくれ。」
「畏まりました。」
しかしここに来て海賊か。
最近子爵領の港に寄港する船は多いのでそれを狙ったのであろう。
だがしかしなあ、うちには海軍がないし。
「エリナーゼ、参上しました!」
「同じくアルバ。」
「入れ。」
2人を部屋に入れると2人も話を知っているのか顔がなんとも言えないという顔になっている。
「はあ、まず対策として海賊の討伐隊を組みたいがこれを一時的にではなく永続的に行いたい。なので海軍を新設したい。」
「ふむ、ですが今現在子爵家には海軍がなく船さえ2隻ほどしかないです。その2隻も軍船ではなく、商船です。」
「ガゥエル様、公国法では貴族の持てる軍の規定では子爵位は3つまでです。」
それぞれの問題をふたりが提示してくれた。
エリーの疑問の解決策を考えているので、大丈夫だが問題わなぁ。
「まず、エリナーゼの軍の規定だが現在騎士団は先の戦により第3が壊滅している。この第3を騎士団ではなく、海軍として再編する予定だ。」
「なっ、では先の戦で散った者たちの跡継ぎたちはどうするのですか!かのもの達は自分の子が騎士になるのを信じて行ったのですよ!」
「そのもの達には希望するものは海軍に入ってもらう。騎士をやりたいと言うものは、近衛を作りそこに入ってもらう予定だ。」
「近衛ですか?それでは公国の法に触れるのでは?」
やはりそこを突かれたかだが、
「近衛は過去の事例を見ても騎士で構成されるが騎士団とは別のもので考えられている。なのでその点は心配いらない。」
「分かりました。騎士があぶれないのなら私からは以上です。」
「では、次に私ですね。まず船の問題ですが現在当家の船は2隻、どちらも商戦です。仮にこれを軍船としたら維持費もかかりますし、なによりどうやって軍船を手に入れるのですか?」
「それなんだよなぁ。」
「さらに海のノウハウがあるものもいませんぞ。」
「そう、それが一番の悩みなんだよな。」
解決案が思いつかずアルバもエリーを頭を悩ませた。
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