第13話 私の王子様。1

side:エリナーゼ

私が初めてガゥにあったのはガゥが赤ちゃんの時だ。

あの時のガゥはすごく可愛かった。


だけどそんなガゥと恋仲になるなんて、昔は思いもしなかった。


ガゥが15歳の頃だったか。

突然ガゥが私に告白をしてきた。

前々から私のことを少し避けたり、避けたとと思えばチラチラとこちらを見てたりとしてはいた。


思春期だからしょうがないとさえ思った。

だけど実際は違った。

私に対して恋愛感情があったらしい。

全然気づかなかった。


しかし私は身分の違いなどの理由で断った。

まぁこんな貧相な体で男よりも強い女を、好きになるなんてひと時の過ちとさえ思った。


それに私の歳は、47歳だし。

エルフは約300年は、生きるとは言われている。人間の都市で換算すれば若い方ではあるし、見た目は18くらいだから、若くはある。


だけど断った瞬間少し胸の奥が痛んだ。

だって私もガゥの事好きになってたんだもん。


告白されて初めてそんな感情を持ったけど。

今まで男気のない私は、それだけで恋に落ちてしまった。


そんな私とガゥの心境を知ってか御館様と父は、婚約をさせてくれた。

表向きは家臣との融和を図るため。

実際は好き同士で結婚をして欲しいという親の優しさだ。


すごく嬉しかった。

次の日ガゥがすぐさまうちに来て、私をデートに誘ってくれた。


初めてスカートをはいた。

足元がスースーしていて恥ずかしかったが、ガゥが可愛いと言ってくれて顔が熱くなった。


帰りには婚約指輪なのだろう、指輪をプレゼントしてくれた。

お小遣いを頑張って貯めたと言って渡してくれた指輪はとても綺麗だった。


私はお礼にキスをした。

ガゥの顔が一瞬にして赤くなった。

私がそれを指摘するとガゥも私の顔も赤いといてってきた。

だってしょうがないじゃんファーストキスなんだもん。


その後私達は手を繋ぎ子爵邸に戻った。

戻るた父がニヤニヤした顔で待っていた。

アルバ殿は、ご子息が早く出来そうで安心などと茶化してきた。

子爵様なんで息子が取られたとか泣いていた。


恥ずかしかったけどすごく嬉しかった。

みんなが祝福してくれた。


しかし、事件は起こった。

戦で御館様が討死した。

そんな一報が入ってきた。


父は覚悟しとけと言った。

最初はなんのことかわからなかったが、つぎの瞬間ハッとした。

御館様が亡くなった、子爵家がもし荒れた場合は、他家からガゥに縁談を取り付け安定させることもあるのだ。


嫌だ。そう思った。

胸の奥がズキズキと痛み始めた。


数日後ガゥが戻ってきた。

ここ数日は寝られなかった。だけどやっとガゥに会える思った。

だけどガゥは今にも消えそうな顔をしていた。


私はなんて声をかければいいか分からなかった。

だけどガゥは、妹様、弟様からなにかを思ったのであろう顔が変わった。

何かを決意したのであろうそんな表情だった。


私は、こんな状態でいいのか。

そんなことを思い始めた。

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