仲間と旅2

2日後、村に到着。村長らしい人が来た。


「よくぞ来て下さいました。私は、この村の村長です。あなた方ですね。モンスターから村を守ったと言うのは。」


「そうですけど、 なんで――」


「実はですね、…こちらを見ていただきたい。」


なんだろ?紙?文字が書いてある。えーっと、なんだって?


「…読めない…。」


草香が読んでくれた。


「『3人の英雄に告ぐ。そなた達がこの村に着いた日の夜、村を襲撃する。前よりも多い軍勢を集めるため、覚悟すること。』だって。村を守ったの? 夜月達。」


「うん。言い忘れてた…いや、言う必要がないと思ってた…。でも…」


「こうなっちゃうと…ね。」


「そうだな。」


「しかも、前よりも多いモンスターだろ?前回、 ギリギリだっただろ?大丈夫か?」


「あれ?3人じゃなかったっけ。」


「流海は弱すぎたからね。」


「流海、今回は行ける? 草香は?戦える?」


「「もちろん!」」


「よし。今回も出入口は2つ。中央の家に村人を集めて、村に侵入される前に倒す。良いな?」


「うん。」


「今回も私と夜月で戦っても良い?お兄ちゃんは流海と草香とで戦ってもらって。」


「ああ。わかった。」


作戦会議はこれで終了。

草香、君は大丈夫だよね。


「何か言った?」


「あ、ううん。何でもない。」


聞こえてた…。でも、きっと、大丈夫だろう。私達は。


夜。


「行くよ。日向。」


「うん。今回も。」


「「守る!」」


moonムーン swordソード!」


来た!本当に。って、今回は遠距離武器の弓矢を持ってる奴がいる!?骨が持ってる〜。


「あの骨、どうする?」


「遠くから射たれるから、先に倒しておかないとね。」


「オッケー。meteorミーター meteoriteミーターライトdetonationダトメイション!」


いつ見てもすごいな〜。これ。結構な数倒せたよ。 近くでは使えないけどね。日向の方に行かないと。


「日向、一気に倒すよ!」


「うん!」


darkダーク barrierバリア。」


これで押して行く。魔法を使い、結構倒して、倒して…。


「はあ、はあ...」


息が、あがってる…まだ、いるのに…マナは…残り、200。次で、全部、倒しきらないと。月回復は、時間がかかる。だから、使えない。だから、倒す。全部!


darkダーク handハンド


夜では見えない手。正確には、闇夜目がないと、夜では見えない手。これで、敵を1ヵ所に集めて、


shadowシャドー wallウォール


閉じ込める。これは、20秒しかもたない。だから、そのうちに、


「 meteor《ミーター》… meteoriteミーターライトdetonationダトメイション


爆発させる。ってヤバい!ここにいると巻き込まれる!


「日向!逃げて!」


速く…もっと!


背後で、爆発の音。その衝撃で、少し、吹き飛ばされた。さらに、砂煙で見えない。


「夜月伏せて!!」

heatヒート targetターゲット

太陽のように熱い空気を放つ魔法。何故か敵をロックオンする効果付き。10匹程度ならこれで倒しきれる。


砂煙が消えていく。モンスターは居ない。


「やった…終わった」


マナは、もう、ない。全部、使ってしまった。 もっと、増やさないと。


「お疲れ、夜月。」


「日向も!」


村に戻る。


「お帰り。2人とも」


3人も、今、戻って来たみたい。


家に入り、眠りについた。


あれ?ここは…どこ? 何も…ない。真っ暗……まるで…闇の中――。そうだ!他の皆は!?


「日向!氷水!流海!草香!どこ!?返事して!」


――何も、 返って来ない、闇――。




「日向!日向一!」


       ・ ・ ・


「日向!」


あれ…夢?日向は!いる。良かった。でも、私を 呼んで、いる。他の、皆も…誰かを、呼んでいる。氷水は、日向を。流海は、氷水を。草香は、誰の…名前かな?火蹴?誰…だろう?…そこは、置いといて、皆は、もしかして――。


…怖い。同じようなことが…起こりそう…。これが…本当に起こったら?怖い…。私は…どうすれば…。


『大丈夫。独りじゃ、ないよ。』


日向…?いや、違う。これは…記憶…。独りじゃ、ないから…もう、離れて、危険な目には、会わないように。約束…したから。だから!


「日向、私は、ここにいるよ。大丈夫だよ。日向。」


これがどう影響するのか、分からない。でも、これで、もし、日向に、何か、届いたとしたら――。


外に出て、村を、見てみる。手紙を置いたから、大丈夫だろう。朝、とても早いのに、たくさんの人達が、もう働き始めている。太陽の昇り具合から推測すると…6時半…かな?すごいな〜。……色々な店がある。主に、食料店、武器屋、防具屋、服屋、日常用品店など。まずは、食料店。 わぁ。パンだ〜。パンがある〜。他にも、肉類や、野菜類も売ってる。うう…パンが欲しい…久々のパンが。…でもお金を持ってきてない…。 後で、買いにこよう。次。武器屋。剣や斧が多いかな〜。まあ、私は、この剣があるから、買わないけどね。次。防具屋。よくある鉄の鎧がある…重そう…身軽に動けた方が良いな〜。…買わないよ。最後、日常用品店。現実とほとんど、 同じような感じがする。包丁や食器、ライターやテープまで!いろいろ揃ってる。


まあ。 今回は、これで終了かな。家に戻ろう。


「お帰りー!夜月!」


「うん。ただいま。」


朝からテンション高いな〜。 日向は。


「皆、リビングにいるよ!朝食!速く速く〜。」


「あーちょっと待ってよ〜。」


朝食を食べ終わり、私は、1つ、聞いてみた。


「皆、夢を見たでしょ。1色の夢を。」


私の一言で、皆、驚いた。


「何で…分かった…の?」


「他人の夢の中には入れないし、見れないはずなのに…なんで!?」


「朝…私は、1番早く起きた。その時に、皆は、 寝言を呟いていた。誰かの…名前の。全員、同じような夢をみていたなら、説明が少しできる。たった、それだけ。」


「なるほど…。」

「皆、見たんでしょ?」

「見た…でも、私の夢には、夜月が、途中で出てきた。」

「へ?」

「ここにいるよ、大丈夫。って、言ってた。」


…マジで?私が…日向に言った言葉…どういう…こと?


「つまり、全員、 同じような夢を見た。 それは、 1色し か使われていない夢だった。 その色は…夜月?何色だった?」

「黒」

「日向は?」

「白」

「俺は透明、白と同じ感じだが、周りが良く見えたから、透明。 流海は?」

「青」

「草香は?」

「黄緑」

「皆の… 魔法の色。」

「そう...だな。」

「偶然…にしては出来すぎているね。」

「誰かに…魔法を、かけられたみたい。」

「でも、なんで夜月は、 私の夢に現れたの?」

「えっと…多分、私が、日向に、話しかけたから…だと思う。」

「音が、夢に、影響を与えたってこと?」

「まだはっきりとしたことは言えないな。」

「夜月だけ、影響を与える事ができるかもしれないし…ただの偶然かもしれない。」

「同じ様な夢をみていたから、ほとんど同時に目覚めるはず…。私だけ違うって、おかしくない?」

「ただの偶然…としか言いようがなさそうだな。」

「あー!もう!わかんねえ!次の時にまた話そうぜ。終わろう!」

「そうだな…」


――草香の、言葉…


『誰かに… 魔法を、かけられたみたい。』


これは、本当かもしれない。偶然ではない気がする。何者かによって引き起こされたとするならば、同時に目覚めたことに納得がいく。でも、 今回は、私だけ、 早く起きた。なぜ?夢がただの偶然ならばあり得るかもしれない。

でも――


「夜月、大丈夫?ぼーっとしちゃって」


私の思考が途切れた。今度、考えよう。


「ごめん。この後、どうする?」

「――。」

      

       ・ ・ ・


それから、4日経ち、村を出発。山を越えると、町に着くらしいから、山を越えることにした。

登山開始…から、30分くらいしか経ってないのに、バテた。まだ4分の1くらいしか登ってない…。さらに、下山の方が大変らしい…。でも、疲れたままだと怪我するかもしれないから、休憩…


それから、2時間程度後。


「やっと…頂上…もう…無理…。」

「はは…お疲れ。休憩して、日が沈む前に下山するぞ。」

「えー。夜でも、良いじゃん。」

「ダメだ。ルートははっきりしてるが、足元が不安定だ。こんなところでモンスターが襲って来たら?」

「……落ちるね。」

「ああ。だから、日が沈む前に、下山する。」

「分かった…。」


大抵のモンスターは夜行性。昼のうちに下山し終わら ないと、モンスターに襲われる可能性が高くなる…らしい。


「草香!?」


誰が、発した? 聞いたことのない声。


火蹴かける!?なんでここに?」

「お前こそ、なんで…」

「えっと、ちょっと待って。誰?」

「俺はこいつの幼なじみ。」

「火蹴って、名前。村にいた時に仲良くしてた。」

「そうなんだ。」


あれ?どこかで聞いたことあるような…?


「こっちは、私の旅の仲間。」

「旅…か。俺は、町に行くところだ。」

「私達も。一緒に行く?」

「そうだな…1人は危険かもしれないからな…行こうかな。 よろしく。


名前だけの自己紹介を済ませ、下山開始。


「跳んだらダメだ。捻挫するかもしれない。一歩ずつ、下りて行くんだ。」


だって。確かに、思ってたよりも高くて、着地の失敗をするかも…気をつけて下りよ。


4時間程度かけて、下山完了。ここから町へ――って、見えない! 遠いの!?ちょっと…今日はもう、歩きたく…ないかな。近くにあったら良かったのに……。 近くに洞窟を見つけ、眠った。


     ・ ・ ・


―――ある場所の、ある時間での出来事―――

「人員の確保はできているか?」

「はい。」

「そうか。 絶対に倒しきってやる。 我らの敵を…!」


       ・ ・ ・


5日後。町に着いた。当然だけど、村よりも広い。結界が張られていて、モンスターは入ってこれない。山に囲まれた場所で、その山を囲むように、村が10個ぐらいあり、その外側に森。その森を抜けると、別の村と町がある…って、この町の長に聞いた。言い換えれば、王様。村を守ったことに対してのお礼だって。助けるのは、当たり前なのに…。


それから3日。平和に過ぎた。現実世界に戻る方法を知ってる人は誰もいない。まず、前例がないみたいだ。希望の光が見えない。


その日。皆で集まって話しているとき。

「騒がしいな。」

「何か、あったのかな?」

「聞いてみよう。」


捕まえて、話を聞く。


「結界が、何者かによって、壊されたのです!」

『え!?』

「結界が…壊された…」

「モンスターが、攻めてくるでしょう。だから」

「なるほど。事情は分かりました。皆、手伝うか?」

「もちろんだよ。」

「「私も」」

「俺も」

「…俺も…やる。」

「よし。6人だから、2人ずつ、配置するか。 門は、四方にあるから、南以外に配置する。」

「私は日向とで良い?」

「分かった。」

「私は…火蹴と…」

「分かった。俺は流海と、だな。東に草香と火蹴、北に夜月と日向、西に俺と流海で良いな?」

「うん。」

「あなたはすぐに王様に伝えてください。南門に全兵力を集めろと。」

「他は、私達に任せて下さい。」

「あ、はい。分かりました。皆さんは先に行って下さい。」

「はい。分かりました。…それじゃあ、行くぞ!」


「おー!」


北に向かう。その途中、放送が聞こえた。


『北、東、西に、 兵を5人ほど残し、南に集結せよ。繰り返す…』


誰も居なくても良いのに…予備兵としてで良いかな…。もしも、倒れた時の。


着いた。本当に5人、残ってる。


「あ、どうも。えっと…お二人は?」

「あれ?聞いてないですか?私達は、昼と夜の魔法を使うのですが…?」

「え、あ、はい!」

「イメージ的にはもっと強そうな体格の人だと思った…」

「なんか…意外だな。」

「ああ…。」

「あのー。聞こえてますよ?」

「ちょっと、日向。」

「そーだよね。分かってるよ。」

「それなら良いや。」


30分後。


「あ…」

「来た…」

「今回も、守りきる!日向、お願い!」

「オッケー。sunサン swordソード!」

「 行くよ!夜月!」

「オッケー!」


今は昼、3時頃。日没まで、あと2時間。敵は、夜になっても来ると思う…ほとんどが夜行性だから…これは…長期戦になりそう…。でも!


「絶対に守りきってみせる!」


3連撃…2連撃では、倒しきれな い強さ…。普通の人なら、20発は打ち込まないと倒せないレベルだと思う…


       ・ ・ ・


「すごい…あの2人…」


「簡単にモンスターを…」


「助けに入る余地無し…か。」


「俺達じゃ、足手まといになるだけ…」


「もしもの時の為に、準備ぐらいはしておかないと。」


        ・ ・ ・


sanshinサンシャイン flash!フラッシュ


日向の魔法は、近距離よりも遠距離のタイプが多 い……。かと言って、私がモンスターを引き付けても、私に魔法が当たる。さらに、防御魔法が少なく、無敵魔法もない。昼の魔法…弱点が多い…強力だけど(魔法の中 で攻撃力が一番高いらしい)。


夕焼けが、空に…。第二陣に備えて、今いるモンスターを、全て倒さないとこっちがますます不利になる…でも、もう、日向のマナは少ししか残ってない。――確か…使い道がわからない魔法があったな。もしも、それが使えるなら…きっと…


「日向!あの魔法…使い方がわからない魔法、発動できる!?」


「多分!」


「それじゃ、こっちに!」


「分かった!」


もしも、私の予想が当たってるのならば…


sunサン ballボール!」


moonムーン ballボール!」


「「combineコンビーン burstバースト!」」


超広範囲攻撃合体魔法。モンスターは全て倒れた。かなりのマナを消費するなぁ…。今日はもう…使えなさそう。


moonムーン recoveryリカバリー


月が出てきたから、回復魔法を。今日は半月だから、5秒につきマナが1だけ回復する。


       ・ ・ ・

「また…来た…」


やっぱり…


moonムーン swordソード!」




――3時間後――


「もう…ダメ…限界…。うう…ごめん、夜月…。」


「日向!」


日向は…もう、動けない…今まで、繋いできたバトン…もう、絶対に、落とさないように、私は、 まだ、戦わないと…


「日向、これ、借りて良い?」


「あ…うん…」


あれ、この剣に… マナが蓄積されて…これは…日向の?だったら…きっと…日向の魔法が使えるかも。


sunサン swordソード


使えた…。え…これは、また…

――月と太陽が合わさる時。新たな力が目覚める。それをまだ、夜月達は知らない――。

このまま…全員…倒す!


2刀流…きっと、私も、使えるから!


「せい!」

      ・ ・ ・


――倒しきった…やっと…限界…。


私は、気を失った。

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