Just way_B<その道>

 悪事を働くコツがあるとすれば、そもそもそれが露見しないようにすることだ、と私は常々思っている。


「なあ……ステラ。お前、俺のパンツ知らないか? 間違ってお前の服に挟まったまま畳んであったりしてない?」

「知らないわ」

「やたらと返事が早いのが気になるが……。一応見といてくれると助かる。二枚くらい見つからないんだよな」

「知らないわ」


 あ、間違えた。

 椅子に腰掛けている私は足を組み直してから、


「私のクローゼット開けてもいいから自分で探してくれる?」

「ええ……ちょっと気が引けるな……。まあいいけど」


 私の潔白を証明し、更にはグレイが私のクローゼットを……といった興奮まで味わえるハッピーセットを饗する。

 ちなみにグレイのパンツは盗難も紛失もしていない。安心してください、履いてますよ。私が。


「一応聞くけどお前が履いたりしてないよな……?」

「なら、スカートを捲って確かめてみる?」

「……いや、いい。探してくるわ」


 勝った。一瞬どんな疑いをかけてくるのよ、とは焦ったものの、既にシミュレーション済みのシチュエーションだったのでスムーズに返事ができた。

 私の部屋に消えていくグレイを見送りながら、私はこのサイズのパンツならグレイのモノはこの辺に来るのかしら、それともこの辺り? などと性差という隔たりによって隠された秘密に思いを馳せる。

 左右どちらかに寄せているのか、下に挟み込んでいるのか、上に反らせているのか。この謎を解き明かすことができれば、ラッキーなスケべが訪れたときに瞬時の判断でそちらに手を回すことができるかもしれない。

 もしくは初体験のときにでもパンツの中に手を潜り込ませて、『グレイのはココにあるんでしょ』『なんで知ってるんだよ』『グレイのことはなんでもわかってるのよ』とかやりたい。切実にやりたい。

 あっ、鼻血が出てきた。


 よたよたと立ち上がり、ティッシュを取りにいく途中でサイズの合わないパンツがずり下がって足元に落ちる。

 そこにグレイが戻ってくる。足元を見る。

 ――私は堂々と言った。


「今、産まれたのよ」

「――は?」


 グレイに謝罪を要求されたが、断固として立ち向かう私の気概に免じてパンツの一枚くらい甘んじて譲渡するべきだ、と私は思った。


 といった茶番があってから、気を取り直した私たちは今朝に出会った姉妹との話を始める。


「ステラ自身は全然信じてなさそうだったが、実際のところどうなんだ? 可能性はないのか? その、願いが叶う、みたいな話には」

「あるんじゃないかしら」


 私はあっさりと返した。息を詰まらせるグレイに、続けて、


「現実的にそこまで勝ち上がるのが難しい、って話でもあるのよ。私たちが先日勝ったのは<未勝利戦>だったわけだけど、その次が<一勝クラス><二勝クラス><三勝クラス>と続いて、それを勝ち抜けば<オープンクラス>になる、って説明したことはあるでしょ?」

「ああ。その辺りは理解できてるつもりだったが」

「<オープンクラス>からはもう青天井なのよね。クラス分けが。だから極端な話、<三勝クラス>を突破した次のレースでお母様みたいな竜と走ろうと思えば走れるわけ。まあ、負けるのがわかってるから誰もそんなことはしないけどね」

「うーん……竜ってプライドが高いイメージがあるから、ちょっと意外だけどな」


 その気持ちはわかる。が、基本的に<ロンド・ドレイク>は同格で競い合うべき、とも考えられているので一応は矛盾しないのだ。

 <三勝クラス>までは定期的に有志の手によってレースが開催されているが、<オープンクラス>からは不定期というか、一人の竜がホストとなってレースを開催する形になっている。

 ぶっちゃけると、『私に勝てると思う奴はレースに参加しろ』といった感じだ。そこで明らかな格上の竜が参加を表明するとレース自体が取りやめになるし、おいおい雑魚狩りかよ、と非難の的になることだろう。


 なので、例えばお母様なんかは私を産んでからはレースというレースに参加していない。ずっと自分と同格の竜が<ロンド・ドレイク>に必要な数だけ揃うのを待っているのだ。


「お母様が九勝。その下に八勝が二人。あとは七勝が五人いて――ってくらいだったかしらね。まあ、上に行けば行くほどのんびりというか、待つことに慣れてくるから、尚更レースに参加できる機会が減るのよ。コンディションが整わなかったりしたら普通に回避したりするしね」

「あー……ちなみに、レースに必要な人数って」

「最低六人」


 そこまで聞いて、グレイは珍しく眉を寄せて悩み始めた。

 いや、普段は私が要らないちょっかいをかけたりというか、困る仕草自体は頻繁に見るのだが、真剣に悩む表情を私に見せるのは稀だった。


「俺は……勝ちたいんだ。勝って、勝って、勝ち続けて、ステラに叶えてもらいたい願いがある」


 それは罪悪感だった、がその言葉を形容するには一番近い。

 普段の訓練から日常生活に至るまでを、誰も見て評価することもないのに完璧にこなすモチベーションがどこから来ているのか不思議だったが、ようやくその答えが得られた気がした。

 だから私は、グレイが言葉と一緒に吐露した感情に気づかないフリをして、言う。


「いいわよ。というか、他人が居た手前懐疑的なスタンスではあったけど、もしそういう『願いを叶える竜』だとか、世界で唯一の存在になる竜なんて私以外いないでしょ。私が――グレイの願いを叶えてあげる」


 そこでグレイは感極まったように、


「ステラは最高だ」

「今まで気づかなかったの? 見る目はある方だと思ってたのだけど」


 軽口を叩きながら、私は内心の不安を塗り潰した。

 自分の能力に不足があるとは思っていない。頂点を目指す為のモチベーションも、日頃の自分を高める為のあれやこれやだって、誰にだって見劣ることはないとは思っている。

 思ってはいるが、それでもにいけるかどうかの自信を持てるほど私は盲目になれてはいないのだ。


 ――だけど、私はグレイの為に目を瞑って、ひたすらに走ろう。私が走る道こそが頂点へと続く道なのだと、グレイがそう信じられるように。


「その代わり私のお願いもちゃんと聞きなさいよね」

「聞ける範囲で頼むよ」

「じゃあおはようからおやすみまで■■して■■■しながら「やめろぉ!」


 相変わらず身持ちの堅いグレイなのだった。



 次は<一勝クラス>でのレースに参加することになるのだが、このクラスは<未勝利戦>同様にまだまだ地力というか、生まれ持っての能力の違いが顕著に出るクラスである。

 正直に言ってしまうなら、母親がどれだけ優秀な竜か、に大きく左右される。


 実際のところ先日のレースにしたって、グレイ曰く、『訓練のときの追走力にしても、末脚にしても、少なくとも数値の上では<未勝利戦>に出てくるだろう竜に負けている部分がない。いかに不利を受けないか、を考えてレースプランを組んだ』らしかった。


 で、次のクラスになるとどうなるか、というと私のように<未勝利戦>を通過点のように勝ち抜いた竜もいれば、能力に乏しい竜たちが泥沼のようなレースをしてなんとか勝ち上がった竜もいる――というかそれが大半であったりする――ので、大きく突出した実力を持つ竜と戦う可能性はそこまで高くない、というのが私たちの見解だった。


 そうなると基本方針は前回と同じく不利を受けないレース運びを目指すことになるが、同時に私と同等の能力を持つ竜が出てきた場合の想定もしておきたい。

 重要になるのはペースと位置取りだ。

 自分の体力が持つペースで走りやすく、かつ不利を受けることのない位置といえば、と考えたとき、真っ先に思い浮かぶのは先頭だろう。


 なので一つ目のレースプランは『逃げ』である。

 逃げにもいくつか種類があって、大きく分けると最初から飛ばしていってセーフティリードを守り切る大逃げ、逆にスローペースで後続を引き付けておいてからの直線での瞬発力勝負に持ち込む溜め逃げ、の二種類になる。

 私が取るべきなのは後者の方だ。

 大逃げは「どうせこいつは後半バテるだろう」と思われて放置される前提での戦略であるので、恐らく今回からはマークされる立場の私がそうしたところで離れず追走してくる竜はいるだろうし、意外性というか、あまり旨味のない走り方になってしまう。

 前回のレースでは訓練での悪評からそこまでマークされている感じもなかったので、周りが逃げないのであれば先頭に立ってもよかったのだが、そこは無理せずペースを守ろう、というグレイの意見によって結果的に周りに行かせる形になった。

 どうしても逃げなければ勝負にならない、というわけでもないので今回も行けたら行く、くらいで構えることになりそうだ。


 なのでもし他に前に行きたい竜がいれば行かせるので、その場合のレースプランとしては『先行』となる。

 これはなんとなく前目につけるのではなくて、ペースを握るという意味でも二番手にはできればつけたい。

 これはなぜかというと、もし三番手以降の竜が「もう少し速いペースで走りたい」と思っても先頭と二番手の竜の分コースの外を回して追い抜かさなければならないので、その距離損と脚を使うという負債を覚悟してまでペースを上げにくる、というのは普通であれば考えづらい。

 で、あればレース中のペースを握るのは先頭を走る竜と、それにプレッシャーを与えられる二番手の竜であるというわけだ。

 勿論これは机上での話であって、レースが毎回そういった運びになるとは限らないのだが、理屈でいうとそう思っておいてもいいのは間違いない。


 以上の二つがレースでのメインプランになる。

 枠順や周りの竜だったり、私のゲートの出方にも左右されるが、極端なレース展開になると予想しない限りは『前目につけて勝ち切る』のがベターではあるので、ここがブレることはまずない。

 グレイが言うところの『差し』だったり『追い込み』だったり『捲り』だったりは私がポジションを取れなかったときのサブプランになる。


 ちなみに前回やったのは『捲り』になるわけだが、これから対戦していく相手が「私たちはこの場面で動いてくる」などと考えさせる為のミスリードも兼ねている。


 ――と、いうのがグレイが私に買われてから度々説明してくれたレースについての対策だった。

 最初の内は理解が及ばないところも多々あったものの、密に打ち合わせを重ねた甲斐もあって、今ではグレイが私に簡単な指示を出すだけでその通りに動ける自信がある。


 そう。<ロンド・ドレイク>では私たちは二人で一つなのだ。


 その内ベッドでも二人で一つになってやるからな、と邪な考えを抱いていると、不意に部屋のインターホンが鳴った。


 誰だろう、と備え付けのモニターを見ると、えーと……誰だっけ、喉のこの辺までは出かかってるんだけどな、「ルクスです」ああ! そんな名前だった! と思い出せなかったことを思い出せた爽快感で気が緩んだので「お話したいことが……」と続けたルクスを部屋に招き入れることにした。


「お茶かコーヒーどっちがよかったかしら?」

「押しかけておいて厚かましいですが、コーヒーでお願いします」


 軽く頷いて、グレイがいつも使っているエスプレッソマシンからコーヒーを注ぐ。

 あまり物欲のないグレイが珍しく欲しがったのがこれで、値段もまあまあする高級品だった。一般家庭というよりは殆ど業務用に近い規格のエスプレッソマシンだ。なんでも知人がコーヒーに一家言あるタイプの人間だったようで、影響されて嗜むようになったのだとか。


 ――そんなことより一般家庭って響き、めちゃくちゃいいわね。


 着々と外堀を埋めているのでは、と気付きを得た私は、しかしルクスの前ではなんでもない風を装ってコーヒーカップを置いた。


「で、話って何だった? 付き合いの浅い、っていうか殆どないのにわざわざ来たってことはそれなりの用件があるのよね?」

「――はい。不躾なのを承知で聞きたいことがあるんですが、お姉ちゃんにアドバイスをお願いしたいんです。<二勝クラス>で伸び悩んでて、全然勝てなくなっちゃって……」

「<二勝クラス>ならそう焦ることもないのだと思うけどね。未勝利のままならともかく、そこまでいけばよっぽど上り目がない限りはどうこうなるってこともないし……。話した限りでは追い詰められて自暴自棄になって……ってタイプでもなさそうだしね」


 ふむ、と思ったよりも簡単に答えが出せる問題ではないのかもしれない、と思った私はグレイも呼ぶことにした。

 私でもそれなりのアドバイスはできるだろうが、実際の対策はグレイが考えたものをそのまま共有しているだけに過ぎないので、ここは私よりもグレイの方がアドバイザーとしては適格な筈だ。


 というわけで、日課のランニングを終えてシャワーを浴びているグレイの元へ弾んだ足取りで向かう。

 シャワーの水音が磨りガラスに聞こえてきていて、そっと脱衣所に侵入した私にまだグレイは気付いていない。薄くシルエットが見えていて、今はシャンプーを終えて身体を洗っているようだ。

 そのグレイの動きに合わせて、身体を洗ってあげるシチュエーションのシミュレーションを始めた。レースだと私が背中に乗せてあげてるけど、今は私がグレイに乗れそうなくらい背中大きいんだね、筋肉も……といった風に脳内で視覚と触覚を補完しながら手を動かす。

 やっている内にどんどんと激しくなっていって、もはや洗っているのかそれとも別の運動をしているのかわからないくらいになる。たぶんグレイの方からは踊り狂う誰とも知れない影が見えているのではないか。


 そう私が自覚した途端に水音が止まり、


「そろそろ上がるから出ていってくれるか」


 私はルクスが訪ねてきたことだけを伝えて、すごすごと退散するしかなかった。

 ほどなくしてルームウェアに着替えたグレイがリビングに姿を見せる。


「お待たせしました。それで、どういったご用件でしたっけ」

「エクスが勝てないみたいだからアドバイスをくれってルクスが」


 畏まって用件を尋ねるグレイに端的に説明をした。

 わかった、とだけ言って立ち上がり自室に入っていったグレイはすぐにノートを手に戻ってくる。

 ノートの表紙にはシンプルに<二勝クラス>と書き殴られていて、それを開きながらルクスに直近に参加したレースの日付をいくつか聞きつつ、ノートをパラパラとめくった。


「さっと見ただけですけどお姉さんはゲートが凄く上手なんですね。なおかつ二の足も速いので毎回確実に先手が取れてる」

「そうなんですよ。お姉ちゃんはそれを武器に1600メートル以下の距離で頑張ってきたんですけど……」

「1600メートルがワンペースで走り切れるギリギリの距離ですから悪くはないんじゃないかと。でも、<二勝クラス>に上がってからはあまり結果が奮わないですね」


 言ってから、グレイはいくつかのレースから着順とラスト600メートルの上がりタイム、各コーナーでの位置を抜き出して別のメモ用紙に書いていく。

 着順は8、上がりタイムは34.9、コーナーでの位置は1-1といった具合だ。

 着順とコーナーでの位置は見ての通りだが、上がりタイムに関しては初めは何のことだか全くわからなかった。聞くところによると全力のスプリントが持続するのがおよそ600メートルほどであるので、レース毎に定められた距離を走る中で、その終いにどれだけ脚を使えたか、が距離に対しての適正だったりレース運びだったりを押し量るのに役立つらしい。


「最近では短い距離のレースを選んで逃げて粘り込みを狙って、でも粘り切れなくて……っていうレースが多くて……」

「数字を追っていてもそうした結果が見てとれますね。――ステラはどう思う?」


 生徒にモノを教える教師みたいな表情をしたグレイが聞いてきたので、


「えーと……上がりタイムが出走してる竜の平均を下回ってるし、人化した状態の体型から見ても筋骨隆々ってわけでもないから、そもそもスプリント向きでもないと思うのよね。だから、距離を短縮するよりは延長をした方がいい、とは思うのだけど……」

「俺もそう思う。少なくとも1200や1400に活躍の場を求めるのはおすすめできないな。最低でも1600……なんだが、一度1800メートル以上で、ペースを考えながら走ってみるといいかもしれない」


 グレイはそこで熱が入ってきたのか、ミオスタチン遺伝子が中距離適性の高いC/T型でなく長距離適性の高いT/T型であったなら1800メートル以上の距離から顕著に成績が上昇するはず、統計的には1600と1800を境にC/T型とT/T型の成績が逆転し始める、エクスさんがC/T型ではなく器用で二の足がつくタイプのT/T型である可能性を考えるなら距離を伸ばしていくべき、と私にもよくわからないことをつらつらと論じ始めたので、私は話を聞いていないのがバレないようグレイの眼球をぺろぺろしたいなあと凝視しながら「ええ」「そうね」などと相槌を打ちつつやり過ごした。


 ルクスは目を白黒させながら話についていこうと必死で、しかし途中で諦めて要点だけを理解する方向へシフトしたようだった。


「一度長い距離をレースで走ってみての手ごたえ次第ではあるけれど、練習メニューに関しても筋力量を上げるよりは、心肺機能を向上させることに焦点を置いた方がいい」


 そこで一旦言葉を切って、


「まあ、理屈の上では今説明した通りなんだが、距離適正に関しては本当に個人差による部分が大きいから、俺の言葉も鵜呑みにしないで色々試してみる方がいいとは思う。今は短距離で結果は出てないけど、続けていればどうなるかはわからないし」

「……要するに焦らずに視野を広く持て、ってことでいいんですかね」

「そうだな。例え結果がついてこなかったとしても、敗北したまま立ち上がらない奴に勝利は掴めない」


 ――最後のは俺の考えた台詞じゃないけどな、と苦笑いして言葉を結んだ。


 参考になりました、と席を立つルクスを、私とグレイは連れ立って玄関まで見送りに行く。

 ドアを開けた途端、視界に飛び込んできたのはルクスの姉のエクスだった。


 隣のグレイはまたかよ、と小さく呟く。

 その呟きにぴくり、と反応したエクスは、


「――最近は寝取られが市民権というかポピュラーなモノになりつつあるけど私にはどうしても受け入れられなくて、なぜかというとたかだか性交渉が上手いだけの異性にそれまでの生活を全て捨てて着いていくかって言われると普通に考えて無理だろう。逆にそこで着いていく奴のことなんかそもそも共感できないし最初から好きにならないと思うし、その時点でそいつを性的な対象に見るのも難しいから、私には性癖としての寝取られは刺さらないし受け入れづらいものなんだ。これは誰しもが納得のいく考えと私は思うけれど、果たして君たちにとってはどうなのかな? いやなに、別に疑っているわけじゃないんだよ。人のモノを取って喜ぶなんて躾の行き届いていない子供か精神異常者くらいのものだものね。君たちはそうじゃないよね。――ね?」

「そうなったらグレイを殺して私も死ぬわ」


 良し、とエクスは自分の妹の手を引き、


「なにやら妹が世話になったようだね。ステラさんに関しては信用もできそうだし、今後ともよろしく頼むよ。ではまた」


 無駄のない動きで隣の部屋に入っていった。

 グレイはひたすらに疲れた顔をしていたので、


「大丈夫? おっぱい触る?」

「触らねえよ」


 もうちょっと疲れさせるべきなのかな、と私は思った。

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